君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「十也くん・・・ごめん。気持ちは嬉しいんだけど、私はやっぱり奏が好きだから」
「・・・でも、アイツ帰ってくるの?」
「いつになるかはわからないけど、帰って来るって」
「そんなわからないやつのこと、待ち続けんの?」
「・・・・・・」
「・・・あ、いや、ごめん。・・・鈴が、水瀬のことを好きなように、俺も鈴のことが好きなんだ。だから諦めきれない」
「っ、でも・・・私は」
「アイツが、水瀬が帰ってきたら・・・・・・その時はいい加減諦めるよ。だから、それまでは諦めるつもりないから」
真剣な瞳が私を捉えて離さなかった。
強い思いに、私は次の言葉が返せず、「送るよ」と言ってくれた十也くんを断って、いつのまにか一人で家まで帰ってきていた。