君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
それから、十也くんは今まで通り接してくれたけど、私はしばらく気まずくて、少し余所余所しい態度をとってしまっていた。
「ねぇ、鈴、さすがに、長谷部が可哀想よ。普通に接してあげたら?」
事の一部始終を聞いて、全てを知っている蘭ちゃんは、ラーメンをすすりながらそう言った。
「・・・そうだよね」
あれから二週間程日が経って、私もこのままではいけないと思い始めていた。
「そんなに思い悩む事ないよ。鈴が奏のこと好きなのをわかっていて、それでも長谷部は
、そんな鈴が好きなんだから。鈴が長谷部に遠慮する必要なんてないのよ。堂々と奏を好きでいて良いじゃない」
ズズッと最後のラーメンを食べ終わると、綺麗に手を合わせて「ごちそうさまっ、あー美味しかったー」と椅子に背中を預けた蘭ちゃん。
なんでこう、いつも彼女は綺麗でカッコいいんだ。
ウジウジしている自分と比べて、目の前の親友がとても羨ましく感じた。