君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
全てのプログラムが終わり、着替えと片付けを済ませ、辺りはガヤガヤとしていた。
「じゃあ行こっか。それにしても、鈴パパもやるわねー。その靴のブランドは女性の憧れよね」
蘭ちゃんが視線を送る私の足元には、有名ブランドの7cmヒールの靴。我ながら脚がとても綺麗に見えるから、履いた瞬間は何とも言えない高揚感を覚えた。
そして、繊細かつ大きなフラワー刺繍に、動くたびに光るレースが上品なAラインのフレアロング丈のワンピース。
大人っぽい雰囲気に合わせて、後ろに流すように髪も下ろしてみた。
「ほんと、お父さんも急にどうしたんだろうって感じだよ。これからどこか食事にでも連れてってくれるのかな」
お母さんも何も教えてくれないから、全く意図がわからないけれど、そんなことだろうくらいに思っていた。