君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「俺は、ずっと今も、鈴のことが好きです。もう一度、俺と付き合ってください」
目の前に差し出された、ひまわりの花束。
可愛い黄色のひまわりたちは、優しく微笑んでいるかのように見えた。
「っ・・・はい、喜んで」
また溢れそうになる涙を堪えて、花束を受け取ると、
「鈴、抱きしめていい?」
そう言いながら、もうすでに一段階段を上がっていて、
「うん」
返事よりもフライング気味に、大好きな温もりに包まれた。
「やっと・・・、やっと、自分の足で、ここまでこれたっ・・・。ずっとこうしたかった」
耳元に届いた掠れた声が、奏のこれまでの思いを全て物語っていて、ぎゅーっと胸の奥が締め付けられた。
奏の背中に手を回せない代わりに、ひまわりの花束を抱えている両手に少し力を込めた。
「私も、・・・私もずっとこうしたかった」
「・・・待っててくれて、ありがとう。・・・もう絶対、もう絶対離さねーから」