君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
待っていてくれたみんなのところへ行くと、お父さんはダンディな笑顔で迎えてくれて、お母さんと優さんは抱き合って涙を流していた。
「鈴ー!おいで!」
そう言って両手を広げてくれたのは蘭ちゃんで、私は迷わず奏の手を離して飛び込んだ。
「おい、滝、ちょっとだけだぞ」
「うるさい。あんた、相変わらずね。ちょっとは成長して帰ってきたかと思ったのに」
「まあまあ、蘭、今日は奏に譲ってやろうぜ」
勇也くんも蘭ちゃんの招待で来てくれていたみたいで、すかさず仲裁に入ってくれた。
「・・・仕方ないわね。鈴、またゆっくりたっぷり話そうねっ」
そう言って蘭ちゃんは勇也くんと帰って行った。
懐かしい3人のやり取りにどうしても口角が上がってしまう。