君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「奏は、勇也くんと話さなくてよかったの?」
「鈴たちが来る前に話したから大丈夫。それより、鈴、早く二人になりたい」
お父さんたちを前に、いきなり当然のように大胆発言をされて顔がボッと熱を持った。
「ハッハッハ、みんなで食事でもと思っていたけど、ふたりの好きにしなさい。大人は大人で楽しむよ」
意外にもお父さんは寛大だったことに少し驚いた。
「鈴ちゃん、・・・本当にっ、ありがとう。・・・奏のこと、これからも、よろしくね」
優さんは私の手をとると、泣きながらそう言ってくれて、さっき引っ込んだ私の涙がまた溢れそうになった。
「鈴、荷物はお母さんが一旦預かっておくから、もう行っていいわよ。あ、それと、今日のソロ、本当に最高だったわ」
目を赤くしたお母さんが笑顔でそう言ってくれて、結局堪えていた涙はまた溢れた。
もうきっと、顔がぐちゃぐちゃだ。