君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
鈴はすごく言いにくそうだったが、長谷部と付き合うフリをしていたと聞かされた。
ほらな、こんなの穏やかでいられるわけないだろ。
前に電話口で、長谷部が「鈴」と呼んだ時があった。
その時の嫌な予感は、間違ってなかったんだな。
なんでそんなことになったのか、鈴はちゃんと理由を説明してくれたけど、例えフリでも、一瞬でも誰かのものになったと言うことが悔しくてたまらなかった。
俺が、もっと早く帰っていれば・・・
そんなことを思ったが、予定では今より3ヶ月以上も遅くなるところだったから、「絶対、早く帰る」と俺の心に火をつけてくれた長谷部に、今は感謝している。