君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「え・・・えと・・・・・・好きな人はいない、かな」
言葉に詰まりながらそう答えた。
「・・・じゃあ、水瀬のことはどう思ってる?」
「えっ・・・奏?・・・奏は・・・・・・ただの幼なじみ・・・だよ」
なんでこんなこと聞くんだろう。
"ただの幼なじみ"
自分で言っておきながら、その言葉に胸がチクリと痛んだ。
「・・・ごめんな、急にこんなこと聞いて」
「あ・・・いや・・・うん」
時々、校門を出る生徒の話し声が聞こえるけど、それがないとあたりはシンッと静まりかえる。
「華山、俺さ、」
十也くんが言葉を続けようとしたとき、