君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
自覚する想い
「・・・そっか」
昨日あったことを全部蘭ちゃんに話した。
今朝、少し腫れた目をメイクで誤魔化して来たつもりだったけど、蘭ちゃんにはバレてしまった。
心配してくれた蘭ちゃんは「何があったか聞かせて」と昼休みに中庭に連れ出してくれたのだ。
「鈴は、本当にもう諦めるの?」
「・・・・・・うん」
・・・・・・。
「無理して諦めようとするから、苦しいんじゃない?」
「えっ・・・?」
「だって鈴、半年前に諦めたつもりだったのに、まだ好きだったんだよね?」
「・・・・・・。」
「だったら、無理して諦める必要はないんじゃないかな。奏と一緒にいる頻度を減らしたとしても、気持ちはそんなすぐに変わらないんじゃない?」
・・・・・・蘭ちゃんの言う通りだ。
半年前に諦めたつもりだった私は、結局今も奏のことが好きなんだから。