君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「奏のこと、避けないでいてあげてよ」
「え・・・あ、うん、そおだねっ」
「あ。避けようとしてたでしょー」
蘭ちゃんが目を細めてこっちを見た。
「あ・・・うん、いや・・・どう接したらいいかなって、思ってた」
昨日の今日だし、正直午前中も奏が来たらどうしようかと思っていた。
幸い、奏が私のところに来ることはなかった。
「奏には、幼なじみとしてって言ったんだよね?だったら今まで通り、普通に話そ?」
「・・・・・・・・・うん。そうだね」
確かに、「これからも幼なじみとしてはよろしく」って言ったんだし、あからさまに避けるのもおかしい、よね。
最初はぎこちなくなる可能性高いけど、
『今まで通り』
よし。
私は、奏が好き。
この気持ちは認める。
片想いだとしても、今まで通り接するんだ。
そう思うと、なんだか新しいスタートラインに立てた気がした。
(・・・まったく、アイツは何してんのよ。)
そう、蘭ちゃんが呟いていたことは知らなかった。