君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
SHRは終わったけど、結局奏はバスケ部の緊急の集まりとかで行ってしまった。
何を言おうとしていたのか気にはなるけど、急ぎの話ではないのかな。
なぜか、ホッとする自分がいた。
「鈴、部活行こー」
「うんっ」
蘭ちゃんと一緒に音楽室へ向かう。
「そういえばさ、昨日の長谷部はなんだったの?」
「え?・・・あ、そうだ。なにか話があったみたいなんだけど、あの後すぐ奏が来て、結局ちゃんと話せなかったの」
「ふーん、なるほどねー。・・・やっぱり長谷部もいよいよか」
「ん?蘭ちゃんごめん、最後の方聞き取れなかった」
「ううん、なんでもないよ。ちょっと急ごっか。なんか今日はパートと個人練の時間短くして、ほとんど全体で合わせだってさ」
「そおなの?じゃあ急がなきゃだね」
そう言ってパタパタと少し駆け足になる。
・・・そういえば昨日の十也くんは、何が言いたかったんだろう。
部活終わりにでも声かけてみようかな。