君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜

告白




「ありがとうございました!!」


全体で挨拶をして、部活が終了した。



・・・なんだか最近、音が不安定というか、思うように吹くことができない。




正確には、半年前くらいから調子が良くない状態が続いている。



周りにはあまり気づかれないけれど、私の音を昔から知るお母さんや蘭ちゃんは、何か感じていると思うんだ。




自分から出る音に、日々焦りを感じる。



ソロコンクールも近づいてくるというのに、今のままじゃ全然ダメだ。



私の将来も左右する、大切な舞台。



自分が納得できる万全の状態で挑みたい。



それまでには絶対、今の状態を抜け出さないと。



もっと集中しなきゃ。


考えれば考える程、焦りがつきまとって私の音を不自由に拘束していた。



< 48 / 268 >

この作品をシェア

pagetop