君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
告白
「ありがとうございました!!」
全体で挨拶をして、部活が終了した。
・・・なんだか最近、音が不安定というか、思うように吹くことができない。
正確には、半年前くらいから調子が良くない状態が続いている。
周りにはあまり気づかれないけれど、私の音を昔から知るお母さんや蘭ちゃんは、何か感じていると思うんだ。
自分から出る音に、日々焦りを感じる。
ソロコンクールも近づいてくるというのに、今のままじゃ全然ダメだ。
私の将来も左右する、大切な舞台。
自分が納得できる万全の状態で挑みたい。
それまでには絶対、今の状態を抜け出さないと。
もっと集中しなきゃ。
考えれば考える程、焦りがつきまとって私の音を不自由に拘束していた。