君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜


「うわー・・・、すげぇ。これが、華山さんが使ってるやつなんだ・・・」


リビングの端に置いてあるドラムセットを見て、十也くんが口元を押さえている。



ふふ、十也くんって、こんなに感情出す人なんだぁ。


いつも本当にクールだから、すごく新鮮。


「十也くん、どうぞソファに座って。昨日の話の続きも聞きたいし」



「っ、あ、うん。そうだったな」


L字ソファの端と端にそれぞれ座った。



「カフェオレもあったかいうちに飲んでね。あ、甘いの大丈夫だったかな?」



「うん、平気。ありがとう、いただきます」



そう言って、十也くんはカフェオレを口へ運んだ。


ゴクっと飲んだ音が聞こえ、


コトっとカップをテーブルへ置くと、


はぁ、と小さく息を吐く。




真剣な瞳が私を捉えた。




< 52 / 268 >

この作品をシェア

pagetop