君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「うわー・・・、すげぇ。これが、華山さんが使ってるやつなんだ・・・」
リビングの端に置いてあるドラムセットを見て、十也くんが口元を押さえている。
ふふ、十也くんって、こんなに感情出す人なんだぁ。
いつも本当にクールだから、すごく新鮮。
「十也くん、どうぞソファに座って。昨日の話の続きも聞きたいし」
「っ、あ、うん。そうだったな」
L字ソファの端と端にそれぞれ座った。
「カフェオレもあったかいうちに飲んでね。あ、甘いの大丈夫だったかな?」
「うん、平気。ありがとう、いただきます」
そう言って、十也くんはカフェオレを口へ運んだ。
ゴクっと飲んだ音が聞こえ、
コトっとカップをテーブルへ置くと、
はぁ、と小さく息を吐く。
真剣な瞳が私を捉えた。