君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
私が行ってもいいのかな・・・なんて、また彼女さんに気を遣ったつもりでいるけど、
「蘭ちゃんが行くなら、行こうかな」
奏を好きだと自覚したから、今は応援したいという気持ちが優っている。
「よかった!鈴が一緒に行ってくれるならますます楽しみだよっ」
そう言って笑顔を向ける蘭ちゃん。
「うん、私もっ。誘ってくれてありがとう、蘭ちゃん」
「ホント、私っていい仕事するわー!早速勇也に連絡しとこっ。・・・アイツ、これを無駄にしたらぶん殴ってやるんだからっ」
「え?」
「ははっ、なんでもないよ。楽しみだねっ」
なんて、楽しそうな蘭ちゃん。
そんな蘭ちゃんを見て、私もなんだか元気が出てきた。
「試合が終わったらさ、奏とちゃんと1回話してみなよ。鈴もこのままは嫌だろうし、聞きたいことちゃんと聞いてスッキリさせなね」
「うん、そうだね。そうするっ」
奏も試合前で忙しいだろうし、ちょっとだけ時間を置いて、試合が終わったらしっかり話そうと思った。