君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「おっ、噂してると愛しの彼女様からだ」
そう言って携帯を見る勇也。
はぁ、今はラブラブなコイツらが羨ましいよ・・・。
「おい、奏。チャンス到来」
「は?」
「蘭と鈴ちゃんが一緒に試合観に来るってよ」
「え、マジ?」
「マジ。お前、これはカッコいいとこ見せて告白するチャンスだろ」
・・・マジか。
鈴が観に来んのか。
前に、試合があること話した時は、「がんばって」とだけ言ってくれていた。
まさか、昨日のことがあったにも関わらず観に来てくれるとは・・・な。
だとしたら、
「負けらんねぇな」
土曜の試合、絶対勝って、鈴に本当のことを全部話す。
「これ以上ダセーことしてんじゃねぇぞ」
そう言って、俺の肩をパンッと強めに叩いた勇也は、やっぱいい奴だなと思った。