君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「ただいまー」
やっと1週間が終わった。
玄関を開けて家に入ると、どっと疲れが押し寄せる。
結局あれから2日経ったけど、奏とは話していない。
やっぱり気まずいっていうのもあるし、まずは、ちゃんと話をしたいから明日の試合が終わるまで待とうと思った。
ローファーを脱いで、リビングのドアを開ける。
「おかえり」
お母さんがキッチンから笑顔で迎えてくれた。
「今日はロールキャベツよ」
「やった!」
その言葉だけで疲れが軽く飛んだ気がした。
なんて単純なんだろうと自分で思う。
私はお母さんのロールキャベツが大好きなんだ。
「さ、手洗ってきてー。食べましょ」
「うんっ」
やっぱり家に帰ってきて家族がいるのは嬉しいなぁ。
一昨日帰ってきたお母さんには、最近あったことを全部話してある。
お母さんも私に会えなかった分、近況を必ず聞いてくるし、友達みたいに聞いてくれるから、私もなんでも話しちゃうんだ。