君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
コンコンッ
優さんが控室をノックして、先頭で入っていく。
入ってすぐのテーブルに「ここでいいわよ」という優さんに従って弁当を置いた。
選手たちは奥でミーティングをしているようだった。
ふぅ〜
少しほっとして控室を出る。
「鈴ちゃんたちの分もあるから、上で食べましょうか」
そう言う優さんにお礼を言って、私たちも2階のベンチに戻って一緒にお昼を食べることになった。
廊下を戻っていると、
「鈴!」
後ろから呼ばれた声に驚いて立ち止まる。
「あ、じゃあ私たちは先に行ってるわね」
そう言って先に行く優さんと、笑顔で私の背中をぽんぽんと優しく叩いた蘭ちゃん。
二人が離れて行くと同時に、ドキドキしながら、ゆっくり後ろを振り返った。