君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
対戦相手と挨拶を交わした選手たちが応援席の下に並び、こっちに向かって頭を下げた。
「「「ありがとうございました!」」」
星宮学園の応援席から拍手が沸き起こった。
私も拍手を送る。
ほんと、良い試合だったなぁ。
「「「キャーッ!奏くーんっ!」」」
ファンの子たちからの黄色い声援は相変わらずで、明日のど枯れちゃうだろうなぁ、なんて呑気なことを思った。
拍手を送りながら当の本人を見ると、・・・ちょうど目が合った。
笑顔でこっちに手を振りながら、口パクで、
『あとでな!』
そう言った気がした。
私も笑顔で手を振り返す。
なんだか清々しい気持ちで、このあともちゃんと向き合って話せる気がした。