君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「おつかれさまー!」
「おつかれー!」
バスケ部のみんなが出てきた。
わっと一斉にファンの子たちが取り囲む。
「あらあら」
と蘭ちゃんは苦笑い。
「お前ら良いけど、ほどほどにして帰れよー。これから打ち上げあるからー」
と顧問の先生が声をかけていた。
その人だかりをかき分けて、奏と勇也くんがこっちへ向かってくる。
「おつかれさまーっ」
二人をみんなで迎えた。
「鈴、打ち上げ前に、いい?」
「うん」
やっぱり今からだよね。
早く話したいとは思っていたものの、いざとなると緊張してきた。
「先行ってるわねー」
「ごゆっくりー!」
「奏!わかってんでしょうね!」
「ちゃんと二人で来いよー!」
なんて口々に言いながら、私たちのやり取りを見ていたみんなは、気を遣って先に打ち上げ会場に向かって行った。
「ちょっと移動するか」
「うん」
私たちは人気の少ない、アリーナ横の公園のベンチへと場所を移した。