君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
嫉妬と色気と
幸せな気持ちで迎えた月曜日の朝。
今日は私も奏も朝練がなくて、久しぶりにゆっくり一緒に登校できている。
それ自体はすごく嬉しいことなのだけど、
私は、今すぐこの状況を抜け出したいです。
ーーヒソヒソ、ヒソヒソ
「ねぇあれ、手繋いでない!?」
「嘘でしょー!付き合ったの?」
「えーでも、ただの幼なじみじゃないの?」
「いや、幼なじみで手繋ぐ?」
さっきから、周りがこんな声ばかりで顔を上げて歩けない・・・。
それなのに、私の右手を引いてスタスタと歩くこの人は、なんだか機嫌が良さそう。
・・・もう。