君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
私はこの状況になるのを避けたくて、学校に近くなる前に奏に言った。
『もう学校だから、手離さない?』
って。
でも奏は、『なんで?』って不思議そうで。
『いや、だって、みんなに見られるし・・・ここまでで良くない?』
そう言ったら、
『無理。俺は見せつけてーの』
なんて言うもんだから、結局手は繋がれたままで、校門をくぐって昇降口に着いてしまった。
あぁもう。恥ずかしすぎるよっ
奏と手を繋ぐのは別に嫌じゃないし、寧ろ嬉しい。
だけど、こんなみんなの前でなんて、慣れないよ・・・
下駄箱の前でやっと手は離れ、上靴に履き替えた。
奏は鼻歌でも歌い出しそうに上機嫌。