君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「華山、おはよ」
すると、背中の方からそう言われて振り向くと十也くんが靴を履き替えていた。
「あ、十也くん、おはよ・・・」
挨拶を返したその瞬間、肩に手を回されてグイッと引き寄せられる。
「俺の彼女に、なんか用?」
その言葉が発された方を見上げると、さっきまでご機嫌だった人とは別人のように、余裕に見せてるけど不機嫌そうな奏がいた。
でも、十也くんは、そっちを見向きもせずに私に話しかける。
「華山、・・・よかったな」
「あ・・・うん」
いずれバレてたことだけど、
いざ、私のことを好きだと言ってくれている十也くんに知られると、なんだか気まずい。
「でも俺、あの時言った言葉、変わらないから」
「え、あ・・・」
「じゃあまた、部活でな」
そう言って彼は行ってしまった。
ぼーっと十也くんの背中を見送っていると、