一度倒れたら、溺愛がとまりません!!
俺、三浦晴基は生まれたときから隣りにいた女の子を守る役目があると感じてきた。

その女の子が有川南。
彼女は、昔から持病持ちだったが今の状態ほどではなかった。
しかし、彼女は母親を事故で亡くした。
すごく優しい母親だったことを覚えてるし、当時俺もすごく悲しかった。


南の母親のお葬式の日、彼女は生きる希望がなくなったような目をしているのにもかかわらず、妻を亡くしたお父さんを支えていた。
そして、すぐに気づいた。
南は泣けていない。
家では泣けないんだ、と

だから、
公園に呼び出してベンチに座らせた。

「泣いていいよ、ずっと泣けてないだろ」
俺のきていた上着をかけて、頭を撫でた。

南は、その言葉を聞いた瞬間泣き目になって静かに泣き始めた。
 
「おかあ、さ、んが、死んで、まだ、実感が、わ、わかなくて、泣けなかった。
お父さんも次は、わ、たしが、ささえないと、いけないから」
俺は、「うん」と、静かに相打ちを打った。
それから、しばらくして南は泣きつかれて
俺の肩で寝てしまった。
彼女の頭を自分の膝においた、

南の涙を指でとると、目の下のクマに気づいた。
「寝れていなかったんだな、あんま無理すんなよ」
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