一度倒れたら、溺愛がとまりません!!
翌朝、何かにホールドされてる気がして目が覚めた。

「ん、…?」
ホールドしていた正体の方に顔を向けるとかわいい寝顔があった。

南は隣りにねた人に必ずくっつく。
俺は南の方に体を向けるとおでこを触った。

「…微熱かな?少し熱い気がする」

俺は静かにベットから降りて聴診器と体温計を取り出した。

俺の行動に気づいたのか、南が目を覚ました。

「、まぶし、…晴?何してんの?」

「みなみ、おはよう。体おこせる?」

「…うん。もちろん。なんで?」

「はい、体温計。熱はかって。あと服めくるね」

南は俺が明らかにいつもより診察する時間が早かったのに気づいて、体温計から少し脇を開けて測っていた。

「南、バレてるよ。ちゃんと測ろうね」
俺はわざと笑顔で言って南の脇をしっかり抱きかかえるようにしめた。

「、あ、やっぱり。あはは」
南は苦笑いした。

「ピピピ」

南よりもはやく体温計を取った。
「37.6か、微熱だね。仕事は休みって伝えとく」

「え、行けるよ。私全然元気!熱に気づかなかったもん」

「はいはい、胸の音聞くよ。
音は綺麗」


「でしょ!熱だけだし、大丈夫だよ」

確かに、熱だけだった。

なぜこんなに今日にこだわるかは、南の担当の患者さんが一般病棟に移る日なのだ。

「気持ちもわかるからな…じゃあ、午後から移動だから午前だけでも休んでて、
分かった?」

「うん!分かった。ありがと晴」
そんな笑顔を見せられたら俺も一緒に微笑むしかなかった。
< 162 / 255 >

この作品をシェア

pagetop