一度倒れたら、溺愛がとまりません！！

「おばさんはいつでも南の心のなかに生きてるんだよ、俺はさ、現実世界に生きてる生きてないなんて関係なしにみんな心のなかに誰かが生きてると思ってる。
俺も一人暮らししてて聞こえるんだよね。
母親の声…
例えば前日に準備してるとさ
昔お母さんに準備は前日に済ましておくもの！とか言って怒られたな〜とか」

「…だから、南のお母さんの声だよ。
絶対。自信持って！南のことを守ってくれたんだよ」
南の頬を両手で包んで涙をぬぐった。

「…うん。私もたまに聞こえる」
南は胸に手を当てて続けた。

「お母さん、これで良かったんだよね？
…でも、でも…、でも…心のなか…だけじゃなくて…抱きしめて…ほしかった…
いきてて…ほしかった…な…わたしが…
小児科医に…なれたって…いいたかった…
一緒に、3人で…くらしてたかった
いま…も、幸せに…
わ…わら…って、、ほし、かった…」
南は静かに涙をこぼした。

「うん、そうだね。苦しいね。悔しいね」
そう相槌を打って背中をトントンするしか俺にはできなかった。