一度倒れたら、溺愛がとまりません!!
夏を待ってると

ガラッ
「南、体調は?熱はかった?」

「なんだ…晴か」

「なんだとはなんだ。え?誰か待ってるの?」

ガラッ

「みー姉!みー姉、大丈夫?」
夏が病室に入ってきてベッドのそばまで来てくれた。

「夏ー!大きくなったねー!かっこよくもなった」
頭を撫でてあげた。

「夏樹?!なんでおまえここにいんだよ?
大学は?」

「あ、晴兄いたの?いま、研修で近くに来てて。みー姉とご飯食べようとしてたら
入院してるって聞いてきた」


「なんで最初に南を誘うんだよ。普通兄じゃないのか?あっ、南熱はかって」

「は~い。夏は何を大学で学んでんの?」

ピピピ

「何度だった?」

「うーん、38.4。微熱かね」

「どこの医者が38度台を出して微熱って言うんだろうね」
呆れ気味で晴が言った。

「なかなか熱下がらないから、検査しよう」

「へ?何の?……やだ!インフルのやつはやだ!マジで」

「曲がりなりにも医者だね。この時期だからね。一応ね。夏樹、抑えててくれる?」

「りょーかい。みー姉、怖くないからね」

「え?なんで?普通看護師とか呼ぶよね?なんで夏?しかも慣れた感じで」

「あれ?言ってなかったっけ?俺も医者目指してて医学部なの」

「えー!聞いてない。聞いてない」

「おし、やるよー。南動くなよ」

抵抗する隙も与えてくれない。
まぁ、待てば待つほど怖いんだけど…

「みー姉、少し抑えるね」

「ん…んー!」
なんとか耐えきった。

「おっけー、じゃあこの検査出してくるわ」

「もう、出ていくの?晴」

「二人で積もる話があるんでしょ、どうぞ」

晴が出ていってしまった。

「ありゃ、嫉妬してるよ、俺に」

「へ?まっさかー!ないないない、それよりお昼一緒に食べよ」

「みー姉は、のんきだな…俺がこの後どうなるか知らないからだ」

「なにかあるの?」

「きっと、晴兄が作るご飯が俺の嫌いなものになってるよ」

「フハハハッ、晴もやることが可愛いね」

「まぁね、ああ見えてこども心しっかり持ってるからね。さあ、食べよう」
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