一度倒れたら、溺愛がとまりません!!
ソファーに南を下ろすと南は俺にしがみついた。

「うぅ…、こわ…かった…すごく…こわかった…」

「なにがあったの?怖い夢見ちゃった?」

南は泣きながら頷いた。

「晴が…晴が…つれてかれた。おとうさん…も、つれて、かれて…林遼平が…
私を…ねらったの…でも、おかあさんが…
私をかばった…それで…それで」

「わかった。もう喋らなくていいよ。
怖かったな、起きたとき誰もいなくて怖かったね。もう大丈夫、大丈夫だよ」

南は珍しく長く泣いていた。俺をギュッと抱きしめて。

多分、体調もよくなくてメンタルも完全には治ってないのが頭でぐちゃぐちゃになってしまったのだろう。

「ハァ…、ハァ…。怖かった。
こんなに取り乱したの久しぶり…
自分が分からなくなった。晴、ギュッって
強く抱きしめてほしい」

うるうるした目でこんな可愛いこと言われたらやるしかない。

俺は手を広げて南を強く長く抱きしめた。

「南はここにいるから。分からなくなったら引き止めるから。安心して?大丈夫だから」

「…うん、ありがとう」
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