ど腐れたラブのカタチ💛大人向けショートショート①
その9
マユミと吉原がココまでたどり着いた原点…。
ベッドに横たわった二人は奇妙ながら、この時、”その時”をそれぞれの胸中に抱いていた。
***
「…きれいごと抜きのあなたに惚れたわ!あなたと一緒に生きて行きたいのよ、コウジさん…」
「ど腐れされなんだぞ、死ぬまでオレは…。ホントにホントに、いいのかよ、マユミ…」
「いいわ!私も所詮、ど腐れよ!…あんなホストに入れ込んでる時点でクソよ、私も…」
この日から1年半後…、二人は夫婦になったのだ。
周囲の承認も得て…。
そして、数年後には”ひと粒種”の長男が生まれ、傍から見ればフツーの人並みな生活を得た、幸せな家庭に映っていた…。
その実感も吉原夫妻にはあった。
マユミは至福の人生を得た…。
と、言えた…。
***
さらにその数年間…、吉原家はつつましいながらも、明るい日々が続いていた…。
その年の春には、一人息子の雄太が小学校に進学し、毎日元気に集団登校で学校に通っていた…。
いじめや不登校の兆候もなく…。
そして夏休みを間近かに控えた、ある月曜日の夜が”この時”だった…。
ベッドに横たわった二人は奇妙ながら、この時、”その時”をそれぞれの胸中に抱いていた。
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「…きれいごと抜きのあなたに惚れたわ!あなたと一緒に生きて行きたいのよ、コウジさん…」
「ど腐れされなんだぞ、死ぬまでオレは…。ホントにホントに、いいのかよ、マユミ…」
「いいわ!私も所詮、ど腐れよ!…あんなホストに入れ込んでる時点でクソよ、私も…」
この日から1年半後…、二人は夫婦になったのだ。
周囲の承認も得て…。
そして、数年後には”ひと粒種”の長男が生まれ、傍から見ればフツーの人並みな生活を得た、幸せな家庭に映っていた…。
その実感も吉原夫妻にはあった。
マユミは至福の人生を得た…。
と、言えた…。
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さらにその数年間…、吉原家はつつましいながらも、明るい日々が続いていた…。
その年の春には、一人息子の雄太が小学校に進学し、毎日元気に集団登校で学校に通っていた…。
いじめや不登校の兆候もなく…。
そして夏休みを間近かに控えた、ある月曜日の夜が”この時”だった…。