塩キャラメルは甘くない。
「パックだよ。これなら毎日できるじゃん、肌つるつるになるよ」
「心臓に悪いからやめてくれ」
これもハズレらしい。
「じゃあこれは…」
と私が動こうとした途端、鷹良くんが私の手をぎゅっと握る。
「芽琉」
いつもより棘のないその声に、私はそっと目線をあげた。
「ありのままの自分でいいから」
その黒い瞳は不思議と私に有無を言わせない力があった。
「…うん。ありがとう」
お礼を言うと、鷹良くんはほっとした様子で微笑んでくれた。
鷹良くんは以前より優しくなったかもしれない。
初めて会った日はどうなることかと思ったけれど、さすが優秀なAI、デステニー…運命。
明日が楽しみだ。
私は心を踊らせながらベッドに潜り込んだ。