塩キャラメルは甘くない。
「…芽琉、ごめん。俺のことでずっと悩ませて…謝るのは俺の方だよな。いつも冷たくしてごめん」
鷹良くんはどうやら私が寝ていると勘違いしているみたい。
でも、鷹良くんに謝らなきゃいけないのは私の方。
まだ頭は回らないかもしれないけど、今しか言えない。
「………ずっと、自分に嘘をついてたの」
私が話し出すと、弾かれたように顔をあげる鷹良くん。
「私は一位をとるためにこの学校を選んだって。でも、そうじゃない。私はこの学校で、恋がしたかった」
話し出すと止まらなかった。
「そのときは友達と好きな子が被っちゃって……私はなにもできなかった。その子とできるだけ距離を置くしかなかった。この気持ちがバレないために」
表面上は友達だけど、実際は恋敵なんだって、思いたくなかった。
「……芽琉」
鷹良くんが、そっと私の名を呼んだ。
「俺はさ。芽琉が恋愛よりも一位をとりたいって話、本気だって思ったことは一度もなかった」
「え」
心外だった。