NGなきワル/バイオレンス長編作完全版!👉自らに過酷を課してのし上がったワルの非情とどうしようもない”ある焦がれ”…。
チャプター5/招かざる産声
大打ノボルの秘められた黒い意思/運命の舞台、九州で 招かざる産声
本チャプターのあらすじ⤵
九州入りした東龍会トップ坂内、大打ノボルとの単独会談実現す。ここに東京埼玉都県境の猛る女たちの運命を変える、禁断のパートナーシップが水面結託される…。
*********************************
大打ノボルの秘められた黒い意思/運命の舞台、九州で
招かざる産声①
東龍会2代目会長、坂内勇ノ介が大打ノボルと単身会談の場を持ったのは、その日の午後3時過ぎだった…
場所は熊本市内繁華街にある料亭の一室…。
二人は初対面だったが、何故か旧知の仲という共通した思いがあった。
それは奇しくもではあったが。
”この感覚…。一種のデジャブじゃなかろうか…。と言うか、以前からずっと、何度も会ってると思えて仕方ねえ。なにしろ、初めて会ったという気がしない…。そしたら、先方もだった訳か…”
「…はっきり言うぞ。一目見て、キミを見染めた。と言うよりも、想像した通りだった。顔も素振りも、その鋭い目もな。まるで昔からよく知ってる人間に思えてならん」
”とにかくだ…、坂内さんとは波長が合う。やっていける…”
ノボルは運命の男と会って数分後にはそう確信していた。
...
「…キミの指摘には率直に答えよう。今日、大枠のところで互いに納得できれば、いずれ然るべき時期でのパートナー関係を約束したい。私は浮気せんし、キミも一旦誓いを立てたら操は守る人間だと疑わない。だが、いかんせん業界内外の目があるんでな。浮気するフリは想定しておいてもらいたい。これはお互いでな。どうだ?」
『はい、了解しました。では、さっそく互いの納得って点ですが…、よろしければこちらからよろしいですか?』
「ああ、お先にどうぞうで構わん(苦笑)」
坂内は独特のノボル特有なせっかちさと単刀直入ぶりが、単純に気に入ったようだった。
...
『あのう…、まずそちらの立場で考えれば、組むガキはどこにでもいるような連中じゃあ意味ないと…。そう思います。ですから、他ができないことをやれるヤツでないと…。自分が逆の立場なら、私はまずそれを判断材料にします。いかがですか?』
「俺はキミをある程度知っている上で、こうしてパートナーの第一候補としてサシで会ってる。要は私の期待にそぐう男だろうという前提の元でだ。だが、キミの言はおっしゃる通りだな。実際に何をどこまでできるか、そこんとこは俺の納得を左右する。さっそく聞かせてもらいたい」
『はい。オレはあなた方が一番やりたくないことを、やって差し上げたいと考えています』
「…それを今口にした方がいいか?」
『お願いします』
坂内はノボルから目をそらさず、一拍を挟んでズバリと返答する。
「殺しだな、それとなれば。ただし、厳密には覚悟の点でってことになるかな。殺しができるとなれば、大概のことは可だろうから」
『それ、可です。オレたちはできます』
「…」
その瞬間、坂内は鋭い目を大きく見開いた。
それは、明らかに驚きを示していた。
九州入りした東龍会トップ坂内、大打ノボルとの単独会談実現す。ここに東京埼玉都県境の猛る女たちの運命を変える、禁断のパートナーシップが水面結託される…。
*********************************
大打ノボルの秘められた黒い意思/運命の舞台、九州で
招かざる産声①
東龍会2代目会長、坂内勇ノ介が大打ノボルと単身会談の場を持ったのは、その日の午後3時過ぎだった…
場所は熊本市内繁華街にある料亭の一室…。
二人は初対面だったが、何故か旧知の仲という共通した思いがあった。
それは奇しくもではあったが。
”この感覚…。一種のデジャブじゃなかろうか…。と言うか、以前からずっと、何度も会ってると思えて仕方ねえ。なにしろ、初めて会ったという気がしない…。そしたら、先方もだった訳か…”
「…はっきり言うぞ。一目見て、キミを見染めた。と言うよりも、想像した通りだった。顔も素振りも、その鋭い目もな。まるで昔からよく知ってる人間に思えてならん」
”とにかくだ…、坂内さんとは波長が合う。やっていける…”
ノボルは運命の男と会って数分後にはそう確信していた。
...
「…キミの指摘には率直に答えよう。今日、大枠のところで互いに納得できれば、いずれ然るべき時期でのパートナー関係を約束したい。私は浮気せんし、キミも一旦誓いを立てたら操は守る人間だと疑わない。だが、いかんせん業界内外の目があるんでな。浮気するフリは想定しておいてもらいたい。これはお互いでな。どうだ?」
『はい、了解しました。では、さっそく互いの納得って点ですが…、よろしければこちらからよろしいですか?』
「ああ、お先にどうぞうで構わん(苦笑)」
坂内は独特のノボル特有なせっかちさと単刀直入ぶりが、単純に気に入ったようだった。
...
『あのう…、まずそちらの立場で考えれば、組むガキはどこにでもいるような連中じゃあ意味ないと…。そう思います。ですから、他ができないことをやれるヤツでないと…。自分が逆の立場なら、私はまずそれを判断材料にします。いかがですか?』
「俺はキミをある程度知っている上で、こうしてパートナーの第一候補としてサシで会ってる。要は私の期待にそぐう男だろうという前提の元でだ。だが、キミの言はおっしゃる通りだな。実際に何をどこまでできるか、そこんとこは俺の納得を左右する。さっそく聞かせてもらいたい」
『はい。オレはあなた方が一番やりたくないことを、やって差し上げたいと考えています』
「…それを今口にした方がいいか?」
『お願いします』
坂内はノボルから目をそらさず、一拍を挟んでズバリと返答する。
「殺しだな、それとなれば。ただし、厳密には覚悟の点でってことになるかな。殺しができるとなれば、大概のことは可だろうから」
『それ、可です。オレたちはできます』
「…」
その瞬間、坂内は鋭い目を大きく見開いた。
それは、明らかに驚きを示していた。