親が体験した怪奇譚/短編ホラー集ー家族愛編ー
その3
「エイジ君は当分毎日、ランドセルの中に入れて学校通うようにって言ってくれてね。僕がおまじないかけて、いじめっ子を懲らしめてやるって…、そう言うのよ。まあ、嬉しい気持ちはあったけど、その時のエイジ君、ちょっと目が恐かった」
「なんか、話の展開が見えてきたんだけど…、お母さん、それで何か起こったのね?」
「ええ。翌日、リーダーの男の子が登校すると、目を腫らしてるの。どうやら、上級生に絡まれたらしくて。それで私の席に来て謝ってきたわ。作文の件でねたんで嫌がらせしてゴメンねって。もう驚いたわ。これで解決になっちゃったのよ。狐につままれたようで何が何だか…。でもね…」
「エイジ君ね?」
「…エイジ君にははっきり聞いたの。今日のことはおまじないかけてくれたおかげなのって。そしたら、そうだよって。まあ、お礼は言ったけど、ちょっと気味悪くてカードを返すって言ったら、そのカードは私にあげるって言ってきたわ」
母は理由を聞いたそうです。
すると彼は、この後誰かいじめられたりしてる子がいたら、その子に渡して欲しいと言って、カードは受け取らなかったそうです。
...
「その後、私への嫌がらせは終わって、元に戻ったんだけど、カードのことが気になってねえ…。たまにエイジ君が話しかけてきて、カードはお守り代わりでただ持ってればいいからってね。ただし、目の前でいじめられてる子がいたら、渡してって繰り返してきたのよ」
母はとりあえず、カードはずっと持ち歩いていたそうです。
そして、6年の2学期が始まって間もなく、エイジ君は北海道へ転校することになったそうです。
「6年の時はクラスが違っていたんだけど、転校する前日に彼は私に声をかけてくれたわ。そして、例のカードのことを話すのよ」
エイジ君は、この学校に来て、合計3人にカードを渡したそうなんです。
そして、今まで転向した学校全部合わせると、なんと20人になったということでした。
「エイジ君は当分毎日、ランドセルの中に入れて学校通うようにって言ってくれてね。僕がおまじないかけて、いじめっ子を懲らしめてやるって…、そう言うのよ。まあ、嬉しい気持ちはあったけど、その時のエイジ君、ちょっと目が恐かった」
「なんか、話の展開が見えてきたんだけど…、お母さん、それで何か起こったのね?」
「ええ。翌日、リーダーの男の子が登校すると、目を腫らしてるの。どうやら、上級生に絡まれたらしくて。それで私の席に来て謝ってきたわ。作文の件でねたんで嫌がらせしてゴメンねって。もう驚いたわ。これで解決になっちゃったのよ。狐につままれたようで何が何だか…。でもね…」
「エイジ君ね?」
「…エイジ君にははっきり聞いたの。今日のことはおまじないかけてくれたおかげなのって。そしたら、そうだよって。まあ、お礼は言ったけど、ちょっと気味悪くてカードを返すって言ったら、そのカードは私にあげるって言ってきたわ」
母は理由を聞いたそうです。
すると彼は、この後誰かいじめられたりしてる子がいたら、その子に渡して欲しいと言って、カードは受け取らなかったそうです。
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「その後、私への嫌がらせは終わって、元に戻ったんだけど、カードのことが気になってねえ…。たまにエイジ君が話しかけてきて、カードはお守り代わりでただ持ってればいいからってね。ただし、目の前でいじめられてる子がいたら、渡してって繰り返してきたのよ」
母はとりあえず、カードはずっと持ち歩いていたそうです。
そして、6年の2学期が始まって間もなく、エイジ君は北海道へ転校することになったそうです。
「6年の時はクラスが違っていたんだけど、転校する前日に彼は私に声をかけてくれたわ。そして、例のカードのことを話すのよ」
エイジ君は、この学校に来て、合計3人にカードを渡したそうなんです。
そして、今まで転向した学校全部合わせると、なんと20人になったということでした。