婚約破棄された追放聖女は、皇太子と二度目の婚約をする【短編】
「どうでしょうね。間違えたのか、総神殿長になりたい気持ちが冷静さを欠く判断を招いたのかもしれませんよ?」
殿下が勝ち誇ったような顔を見せる。
「そもそも、彼に神殿長の素質があったのかも疑わしいという声もありますわよ」
王妃様の言葉に、陛下が眉根を寄せる。
「黙れ」
「ふん。ちょっと甘くしすぎたのではありませんこと? 神殿長などという地位など与えず、隣国にでも追いやれば済みましたのに」
ん? 神殿長を隣国に追いやる?
何を言ってるの王妃様。神殿長は本当に神託を受けて何度も国のピンチを救っているし、神殿で働く巫女たちにもよくしてくれてる。
東神殿の管轄の地域で困りごとがあればふさわしい巫女を何人か連れてすぐに解決のために足を運び国民にも慕われているし……。
私も十五歳になってからは、何度もレオン様について国を回ったから知ってる。
巫女たちの身を守るために理不尽な声や要求は突っぱねてくれてるのを。
過剰な接待は断り、不正には耳を傾けないのを。
それから……どこへ行っても女性にもてるのも。ってそれはどうでもいい話なんだけど。女遊びをしてうつつを抜かすようなことも鼻の下を伸ばすようなこともなかったんだよ。
殿下なんて、私と婚約してからも、綺麗な女性を見れば鼻の下を伸ばすし、女性の胸元ばかり見るしで、王子様みたいなレオン様に比べて、本物の王子はこんなものなのかと……正直がっかりしたくらいだ。
「黙れ。レオンが東の神殿長であることは今は問題ではない。ミラが偽物の聖女だったとして、ソフィアが本物だという証は? ソフィアも偽物である可能性もあるではないか? ソフィアを愛しているといったお前の勘違いではないのか?」
■■
陛下が冷静に言葉を紡ぐと、殿下がソフィア様に微笑みかけた。
ソフィア様は小さく頷くと、私の隣にきて、肩を押す。
殿下が勝ち誇ったような顔を見せる。
「そもそも、彼に神殿長の素質があったのかも疑わしいという声もありますわよ」
王妃様の言葉に、陛下が眉根を寄せる。
「黙れ」
「ふん。ちょっと甘くしすぎたのではありませんこと? 神殿長などという地位など与えず、隣国にでも追いやれば済みましたのに」
ん? 神殿長を隣国に追いやる?
何を言ってるの王妃様。神殿長は本当に神託を受けて何度も国のピンチを救っているし、神殿で働く巫女たちにもよくしてくれてる。
東神殿の管轄の地域で困りごとがあればふさわしい巫女を何人か連れてすぐに解決のために足を運び国民にも慕われているし……。
私も十五歳になってからは、何度もレオン様について国を回ったから知ってる。
巫女たちの身を守るために理不尽な声や要求は突っぱねてくれてるのを。
過剰な接待は断り、不正には耳を傾けないのを。
それから……どこへ行っても女性にもてるのも。ってそれはどうでもいい話なんだけど。女遊びをしてうつつを抜かすようなことも鼻の下を伸ばすようなこともなかったんだよ。
殿下なんて、私と婚約してからも、綺麗な女性を見れば鼻の下を伸ばすし、女性の胸元ばかり見るしで、王子様みたいなレオン様に比べて、本物の王子はこんなものなのかと……正直がっかりしたくらいだ。
「黙れ。レオンが東の神殿長であることは今は問題ではない。ミラが偽物の聖女だったとして、ソフィアが本物だという証は? ソフィアも偽物である可能性もあるではないか? ソフィアを愛しているといったお前の勘違いではないのか?」
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陛下が冷静に言葉を紡ぐと、殿下がソフィア様に微笑みかけた。
ソフィア様は小さく頷くと、私の隣にきて、肩を押す。