時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。

第二十三話 if〜消えたある日の想い〜(レオン)

婚約を受け入れてくれたリディアに今日初めて会いに行く。

王宮に呼んでも良かったが、婚約を受け入れてくれたから、どうしても自分から行きたかった。



ウォード邸に行くと、侯爵と共にリディアが迎えてくれた。



「リディア、婚約を受けてくれて、ありがとうございます」

「まあ、私の方こそありがとうございます」



リディアは優雅に挨拶をした。



それからは、リディアは花嫁修業として王宮に通うことになった。

定期的に二人でお茶会をし、リディアと会うのは楽しみだった。



だが、リディアは手一つ繋いでくれとは言わない。

いつも穏やかな笑顔で話し、側にいてくれるが距離が縮まらないと感じる。

花嫁修業で王宮に来ても、会う予定じゃない時はさっさと帰ってしまう。

会う予定じゃない日に会いたいとも言わない。



思いきって、不意打ちでリディアに会いに行くと、友人の邸にお茶会に行っていた。

私を友人に紹介しようとは思わないのだろうか。

もし、友人の邸までリディアに会いに行くと、リディアは喜ぶだろうか。

婚約者だと、自慢してくれるだろうか。



そう思い、リディアの友人邸に行くと、彼女はいつもと変わらない様子だった。

お茶会に一緒にとは言わず、帰りますよ、と言った。

私と友人の中でお茶をしたくないのだろうか。



虚しさを感じると、友人の中の一人の令嬢が図々しくも、お茶に誘って来た。

そして、私も図々しくお茶会に交じった。



一瞬虚しさを感じたが、リディアとその友人達とのお茶会に興味があった。

彼女はいつもどんな様子なのだろうと。

彼女を見るといつもの穏やかな笑顔に見えた。

リディアは兄上にも私にも媚びない。

その、誰にも媚びない穏やかな笑顔に好感を持っているが、リディアが正直よくわからない時がある。



距離の縮まらないリディアにずっとモヤモヤしていた。









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