時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
第二十四話 手紙が来た
オズワルド様の邸に来て10日ほど経ち、今日も日中は二人で図書館にいた。
「オズワルド様、まだ魔水晶は出来上がらないのですか?」
「まだだな。宝飾品にしているから時間がかかる」
何でそんな時間のかかることをするのですか!
「何だその顔は。お前に贈る物に趣味の悪い物は贈らん」
「そうですか」
贈り物は嬉しいけど、一緒に寝るのがまだ慣れない。
こいつは段々近付いてきているし。
今朝なんか、後ろから抱き締めてたし!
今さらながら、思い出すと赤面してしまう。
ソファーに転がり、悶えてしまいそうだった。
「リディア、百面相か?」
「違います!」
「大体、転がるなら俺の膝にくればいいだろう」
「お断りします!」
その時、図書館のドアがギギッと開いた。
ソファーに転がっている姿を見せられない為、さっと、姿勢を直し品良くすると、リンクスがバスケットにお茶や菓子を持って来てくれた。
「アフタヌーンティーの時間です」
「いつもありがとう。リンクス」
リンクスがテーブルの上にお茶や菓子を綺麗に並べ、優雅にお茶を飲んだ。
「お前は二重人格か」
「何の話ですか」
余計なことを言うな。
いくら執事とはいえ、公爵の婚約者がゴロゴロしてるところは見せませんよ!
「オズワルド様、明後日の準備ですが部屋はいつも通りで大丈夫ですか」
「明後日、何かあるのですか?」
「アレクが休暇で来る」
どうやら、先月から来るのは決まっていたようだった。
オズワルド様とアレク様は幼い時からの友人で、休暇の時などよく滞在に来るのだと話してくれた。
リンクスは、オズワルド様に来た手紙を渡し、アレク様の部屋の準備に邸に戻った。
アレク様からの手紙を読んでいると、オズワルド様の顔色が変わる。
「オズワルド様、どうしました?」
「……レオン様も来る」
「ええーっ!?」
何故!?
この時期に、オズワルド様のところに行ったなんて知らない!
「おかしい。戻る前はレオン様は来なかった」
「私も行ったなんて聞いたことありません!」
二人で、わけがわからないと顔を見合わせた。
「レオン様はこの時期何をしていたかわかるか?」
「お休みで私のところに来てました。婚約を受けてくれてありがとう。と優しく言ってくれて……」
「まさか……レオン様との婚約自体がなくなったせいか……」
「だからって、どうして来るのですか!」
パニックになりそうな私と違いオズワルド様は考え込んでいた。
私はオズワルド様の隣に座り、下から顔を覗き込むように声をかけると、真剣な顔で話し出した。
「もし、レオン様とリディアが会うのが必然なら、変えられんかもしれん」
オズワルド様の話では、時間魔法で戻っても変えられることと変えられないことがあるらしい。
だから、オズワルド様は私を連れて邸に来たのだと言った。
あの結末にならないように。
「嫌ですよ! 絶対レオン様と婚約なんかしませんからね!」
「当たり前だ。リディアは誰にも渡さない」
オズワルド様はそう言いながら、力一杯抱き締めてくると、私も思わずオズワルド様の両腕を握りしめるように掴んだ。
「私はオズワルド様の婚約者ですからね」
「それでいい」
私はオズワルド様の婚約者。
もう、レオン様と婚約することはないし、ずっとオズワルド様といたい気持ちが芽生えている。
誰にも邪魔されたくない。
絶対、あの結末は変えてみせる。
そう決意して、アレク様とレオン様を邸に迎える日が来た。
「オズワルド様、まだ魔水晶は出来上がらないのですか?」
「まだだな。宝飾品にしているから時間がかかる」
何でそんな時間のかかることをするのですか!
「何だその顔は。お前に贈る物に趣味の悪い物は贈らん」
「そうですか」
贈り物は嬉しいけど、一緒に寝るのがまだ慣れない。
こいつは段々近付いてきているし。
今朝なんか、後ろから抱き締めてたし!
今さらながら、思い出すと赤面してしまう。
ソファーに転がり、悶えてしまいそうだった。
「リディア、百面相か?」
「違います!」
「大体、転がるなら俺の膝にくればいいだろう」
「お断りします!」
その時、図書館のドアがギギッと開いた。
ソファーに転がっている姿を見せられない為、さっと、姿勢を直し品良くすると、リンクスがバスケットにお茶や菓子を持って来てくれた。
「アフタヌーンティーの時間です」
「いつもありがとう。リンクス」
リンクスがテーブルの上にお茶や菓子を綺麗に並べ、優雅にお茶を飲んだ。
「お前は二重人格か」
「何の話ですか」
余計なことを言うな。
いくら執事とはいえ、公爵の婚約者がゴロゴロしてるところは見せませんよ!
「オズワルド様、明後日の準備ですが部屋はいつも通りで大丈夫ですか」
「明後日、何かあるのですか?」
「アレクが休暇で来る」
どうやら、先月から来るのは決まっていたようだった。
オズワルド様とアレク様は幼い時からの友人で、休暇の時などよく滞在に来るのだと話してくれた。
リンクスは、オズワルド様に来た手紙を渡し、アレク様の部屋の準備に邸に戻った。
アレク様からの手紙を読んでいると、オズワルド様の顔色が変わる。
「オズワルド様、どうしました?」
「……レオン様も来る」
「ええーっ!?」
何故!?
この時期に、オズワルド様のところに行ったなんて知らない!
「おかしい。戻る前はレオン様は来なかった」
「私も行ったなんて聞いたことありません!」
二人で、わけがわからないと顔を見合わせた。
「レオン様はこの時期何をしていたかわかるか?」
「お休みで私のところに来てました。婚約を受けてくれてありがとう。と優しく言ってくれて……」
「まさか……レオン様との婚約自体がなくなったせいか……」
「だからって、どうして来るのですか!」
パニックになりそうな私と違いオズワルド様は考え込んでいた。
私はオズワルド様の隣に座り、下から顔を覗き込むように声をかけると、真剣な顔で話し出した。
「もし、レオン様とリディアが会うのが必然なら、変えられんかもしれん」
オズワルド様の話では、時間魔法で戻っても変えられることと変えられないことがあるらしい。
だから、オズワルド様は私を連れて邸に来たのだと言った。
あの結末にならないように。
「嫌ですよ! 絶対レオン様と婚約なんかしませんからね!」
「当たり前だ。リディアは誰にも渡さない」
オズワルド様はそう言いながら、力一杯抱き締めてくると、私も思わずオズワルド様の両腕を握りしめるように掴んだ。
「私はオズワルド様の婚約者ですからね」
「それでいい」
私はオズワルド様の婚約者。
もう、レオン様と婚約することはないし、ずっとオズワルド様といたい気持ちが芽生えている。
誰にも邪魔されたくない。
絶対、あの結末は変えてみせる。
そう決意して、アレク様とレオン様を邸に迎える日が来た。