時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
第二十九話 出発前
翌朝、皆で朝食を摂っているといつも通り、リンクスがオズワルド様に手紙を持って来た。
今朝は私にも手紙が来ていた。
差出人はアニスだった。
内容は、婚約おめでとうやお茶会のお誘いだった。
婚約をお父様からでも聞いたのだろう。
私は誰にも言わず、この邸に来たから。
戻る前はアニスとよくお茶会をしたから、まあいつもの内容だな、と思った。
行くつもりは全くなかったから、後でお断りの手紙でも出すか、と思っていた。
そして、ふとオズワルド様を見ると、差出人だけ、パパッと見て封を開けずそのまま横に置いていた。
「手紙は読まないのですか?」
「どうせ借金の申し込みや投資の頼みだ。いずれ破産しそうな者には金は貸さん。後は婚約をまだ知らんらしいから、娘を紹介したいとかの話だろう。夜会も今は全て断っているし」
夜会に行かなくていいのは、ちょっと良かったと思った。
結構疲れるから。
すると、アレク様がリンクスに手紙を書くから出してくれるか、と話し出した。
「リンクス、後で手紙を出してくれるか?薔薇を添えて出すように手配して欲しいのだが」
「まあ、薔薇を添えるのですか。ロマンチックですね」
「フェリシアは花言葉をよく知っているから、花を添えてやると喜ぶんだ」
素敵です。
アレク様、さすがですわ。
しかし、花言葉か。
この時、戻る前にアニスから貰ったあの胡散臭い香水瓶を思い出した。
確か黒百合ともう一つはなんだったかしら?
黒百合の花言葉は何なのか気になってきた。
朝食も終わり、すぐに行くのかと思いきや、アレク様はフェリシア様への手紙を取りに行った。
フェリシア様は、今回のアレク様の休暇と、実家が領地に帰る日が重なり来られなかった。
アレク様と結婚したら、そうそう家族と領地に帰れないから、婚約中は家族と帰ることに二人で決めているらしい。
玄関の外にオズワルド様と行くと、警備の話をしてくるから待っていろ、と言われた。
「もう警備は行っているのではないのですか?」
「ヒースや残っている護衛達との話もあるからな」
アレク様にレオン様が来ているから、まあ忙しいのだろうけど。
オズワルド様は私を残して、足早に行ってしまった。
一人残されていると、マリオンが駆け足でやって来た。
「リディア様、すみません! もう少し時間はありますか?」
「どうしたの?」
「すみません! 膝掛けが見つからなくて……もう少し待って頂けますか?」
なんだ。
そんなことか。
「気にしなくて大丈夫よ。まだ皆来てないし、なかったら、オズワルド様のマントでも借りるわよ」
マリオンはまた「すみません」と頭を下げ走って行った。
何か変だと思う。
どうして膝掛けが見つからないのかしら。
リンクスが出してくれるはずなのに、マリオンに渡してないのかしら。
そうは思えないけど。
玄関外の立派な柱にもたれ、一人ボッーとオズワルド様や皆を待っていた。
従者のウィル達が今、馬を連れて来ているから、もうすぐで皆集まる。
そして、一番にやってきたのはレオン様だった。
今朝は私にも手紙が来ていた。
差出人はアニスだった。
内容は、婚約おめでとうやお茶会のお誘いだった。
婚約をお父様からでも聞いたのだろう。
私は誰にも言わず、この邸に来たから。
戻る前はアニスとよくお茶会をしたから、まあいつもの内容だな、と思った。
行くつもりは全くなかったから、後でお断りの手紙でも出すか、と思っていた。
そして、ふとオズワルド様を見ると、差出人だけ、パパッと見て封を開けずそのまま横に置いていた。
「手紙は読まないのですか?」
「どうせ借金の申し込みや投資の頼みだ。いずれ破産しそうな者には金は貸さん。後は婚約をまだ知らんらしいから、娘を紹介したいとかの話だろう。夜会も今は全て断っているし」
夜会に行かなくていいのは、ちょっと良かったと思った。
結構疲れるから。
すると、アレク様がリンクスに手紙を書くから出してくれるか、と話し出した。
「リンクス、後で手紙を出してくれるか?薔薇を添えて出すように手配して欲しいのだが」
「まあ、薔薇を添えるのですか。ロマンチックですね」
「フェリシアは花言葉をよく知っているから、花を添えてやると喜ぶんだ」
素敵です。
アレク様、さすがですわ。
しかし、花言葉か。
この時、戻る前にアニスから貰ったあの胡散臭い香水瓶を思い出した。
確か黒百合ともう一つはなんだったかしら?
黒百合の花言葉は何なのか気になってきた。
朝食も終わり、すぐに行くのかと思いきや、アレク様はフェリシア様への手紙を取りに行った。
フェリシア様は、今回のアレク様の休暇と、実家が領地に帰る日が重なり来られなかった。
アレク様と結婚したら、そうそう家族と領地に帰れないから、婚約中は家族と帰ることに二人で決めているらしい。
玄関の外にオズワルド様と行くと、警備の話をしてくるから待っていろ、と言われた。
「もう警備は行っているのではないのですか?」
「ヒースや残っている護衛達との話もあるからな」
アレク様にレオン様が来ているから、まあ忙しいのだろうけど。
オズワルド様は私を残して、足早に行ってしまった。
一人残されていると、マリオンが駆け足でやって来た。
「リディア様、すみません! もう少し時間はありますか?」
「どうしたの?」
「すみません! 膝掛けが見つからなくて……もう少し待って頂けますか?」
なんだ。
そんなことか。
「気にしなくて大丈夫よ。まだ皆来てないし、なかったら、オズワルド様のマントでも借りるわよ」
マリオンはまた「すみません」と頭を下げ走って行った。
何か変だと思う。
どうして膝掛けが見つからないのかしら。
リンクスが出してくれるはずなのに、マリオンに渡してないのかしら。
そうは思えないけど。
玄関外の立派な柱にもたれ、一人ボッーとオズワルド様や皆を待っていた。
従者のウィル達が今、馬を連れて来ているから、もうすぐで皆集まる。
そして、一番にやってきたのはレオン様だった。