時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
第三十一話 試された
狩り場に行くために、オズワルド様が私を馬に乗せてくれた。
私達だけ二人乗りになった。
アレク様の側をヒース様が馬に乗り走り、少し後ろから、従者のウィルや下僕二人が昼の給仕の為、狩り用の馬車でついてきていた。
「大丈夫か? リディア」
「はい……オズワルド様。さっき私とレオン様が二人っきりになるようにしましたでしょ」
「気がついていたのか?」
悪びれた様子のないオズワルド様にちょっとは悪びれろよ!と思った。
「性格悪いですよ。マリオンなんか膝掛けが見つからないと焦っていましたよ。困らせないで下さいね」
「それは知らん。出すのを忘れたか?」
「さあ、どうでしょうね」
何なのだ一体。
私を試したのかレオン様を試したのか、それとも両方を試したのか、してやられたという気持ちになった。
あのタイミングで出てきたということはどこからかはわからないがきっと見ていたのだろう。
しかしいつから見ていたのかは、わからない。
「悪いと思っています?」
「リディアには悪いと思っているぞ」
その黒い笑顔は思ってないですよね。
「……では、お詫びを下さい」
「何か欲しいのか? 詫びでなくても欲しい物は買ってやるぞ」
「今度夜会に一緒に行ってあげますから、ドレスを買って下さい。……婚約者と言えばもうどこかの娘を勧められることもないでしょう」
「なんだ、気にしていたのか?」
「……うるさいですわよ。あと、靴もお願いしますね」
「わかった。好きなだけ買ってやる」
二人乗りをしているからか、何となくオズワルド様の服を握りしめ、その胸板にもたれてみた。
「リディア……悪かった」
「本当ですよ。でも、許してあげますからね」
私に対しては本当に悪かったと思っているのだろうけど……きっと私からレオン様に断って欲しかったのだと思う。
それに、これでレオン様が近付いて来ることはないだろう。
苦虫を踏み潰したような顔でしたからね。
しかも、レオン様の前でオズワルド様にしがみついてやりましたからね。
チラッとオズワルド様を見上げると、彼は勝ち誇った顔だった。
私達だけ二人乗りになった。
アレク様の側をヒース様が馬に乗り走り、少し後ろから、従者のウィルや下僕二人が昼の給仕の為、狩り用の馬車でついてきていた。
「大丈夫か? リディア」
「はい……オズワルド様。さっき私とレオン様が二人っきりになるようにしましたでしょ」
「気がついていたのか?」
悪びれた様子のないオズワルド様にちょっとは悪びれろよ!と思った。
「性格悪いですよ。マリオンなんか膝掛けが見つからないと焦っていましたよ。困らせないで下さいね」
「それは知らん。出すのを忘れたか?」
「さあ、どうでしょうね」
何なのだ一体。
私を試したのかレオン様を試したのか、それとも両方を試したのか、してやられたという気持ちになった。
あのタイミングで出てきたということはどこからかはわからないがきっと見ていたのだろう。
しかしいつから見ていたのかは、わからない。
「悪いと思っています?」
「リディアには悪いと思っているぞ」
その黒い笑顔は思ってないですよね。
「……では、お詫びを下さい」
「何か欲しいのか? 詫びでなくても欲しい物は買ってやるぞ」
「今度夜会に一緒に行ってあげますから、ドレスを買って下さい。……婚約者と言えばもうどこかの娘を勧められることもないでしょう」
「なんだ、気にしていたのか?」
「……うるさいですわよ。あと、靴もお願いしますね」
「わかった。好きなだけ買ってやる」
二人乗りをしているからか、何となくオズワルド様の服を握りしめ、その胸板にもたれてみた。
「リディア……悪かった」
「本当ですよ。でも、許してあげますからね」
私に対しては本当に悪かったと思っているのだろうけど……きっと私からレオン様に断って欲しかったのだと思う。
それに、これでレオン様が近付いて来ることはないだろう。
苦虫を踏み潰したような顔でしたからね。
しかも、レオン様の前でオズワルド様にしがみついてやりましたからね。
チラッとオズワルド様を見上げると、彼は勝ち誇った顔だった。