時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
第四話 最後に見たのは
アリシアは、アレク様の控室に呼ばれてもないし、許可なく入れない為に途中で別れた。
正確にはオズワルド様に止められた。
アリシアは図々しくも、ではレオン様の控室で待ちます、と言ったがレオン様が許可する前にオズワルド様に、場を弁えて下さい。と言われてふてくされたようにツンとした。
アレク様の控室に行くと婚約者のフェリシア様と仲睦まじい姿があった。
フェリシア様はアレク様の後ろを一歩下がって夫を立てるような、控えめで穏やかな方だ。
柔らかウェーブのかかった金髪に柔らかい表情は誰が見ても品のいい美人だった。
私もフェリシア様のようにならなければ、と見習っていた。
「レオン、あの令嬢は誰だ? 婚約者が誰かわかっているのか?」
アレク様はすっと立ち上がり、フェリシア様を見る優しい顔から、様相が変わりレオン様に向かい厳しい顔になった。
「アレク様、リディアが少し疲れたようですので、控室に連れて行きます。失礼しますよ」
オズワルド様が、私を気遣ってか察したように、私の控室に連れて行ってくれた。
正直、人の叱咤される所は見たくなかったから、オズワルド様のお言葉に甘えて私の控室へ行った。
オズワルド様は私を控室に連れてくると廊下にいますからね、と一人にしてくれた。
オズワルド様の優しさを身に染みながら、疲れた、と思いソファーに座り込んだ。
ふと顔を見上げると、テーブルには黒百合とオレアンダーがリボンで一つにしておりその下にはプレゼントであろう箱があった。
そう言えば、アニスがプレゼントがどうたらこうたら、言っていたわね。
……しかし、プレゼントに黒百合?
開けると、お揃いと言っていたのにレオン様のは綺麗な香水瓶だが、明らかに私のは違う。
何故だか私の香水瓶には葉っぱが入っているし。
しかも香水の色が汚い紫なんだけど。
まさか手作りなの!?
本当に香水なのか!
まさか私に呪いでもかける気か!
何を考えているのか、と大きなため息が出た。
「頭が痛いわ……」
葉っぱの入った香水瓶を握り締め、もう片方の手で頭を抑えてしまっていた。
そして、その時、ガタン! と音がしたと同時にアリシアが飛び出してきた。
この部屋のどこに隠れていたのか、全く気付かなかった。
とっさに逃げようとしたが、背中を見せたのが不味かった。
腰辺りの背中に、ドンと何かが当たられたのか、その場に倒れてしまった。
朦朧とする意識の中、最後に見えたのはオズワルド様が私の名前を叫びながら控室に飛び込んでくる姿だった……。
正確にはオズワルド様に止められた。
アリシアは図々しくも、ではレオン様の控室で待ちます、と言ったがレオン様が許可する前にオズワルド様に、場を弁えて下さい。と言われてふてくされたようにツンとした。
アレク様の控室に行くと婚約者のフェリシア様と仲睦まじい姿があった。
フェリシア様はアレク様の後ろを一歩下がって夫を立てるような、控えめで穏やかな方だ。
柔らかウェーブのかかった金髪に柔らかい表情は誰が見ても品のいい美人だった。
私もフェリシア様のようにならなければ、と見習っていた。
「レオン、あの令嬢は誰だ? 婚約者が誰かわかっているのか?」
アレク様はすっと立ち上がり、フェリシア様を見る優しい顔から、様相が変わりレオン様に向かい厳しい顔になった。
「アレク様、リディアが少し疲れたようですので、控室に連れて行きます。失礼しますよ」
オズワルド様が、私を気遣ってか察したように、私の控室に連れて行ってくれた。
正直、人の叱咤される所は見たくなかったから、オズワルド様のお言葉に甘えて私の控室へ行った。
オズワルド様は私を控室に連れてくると廊下にいますからね、と一人にしてくれた。
オズワルド様の優しさを身に染みながら、疲れた、と思いソファーに座り込んだ。
ふと顔を見上げると、テーブルには黒百合とオレアンダーがリボンで一つにしておりその下にはプレゼントであろう箱があった。
そう言えば、アニスがプレゼントがどうたらこうたら、言っていたわね。
……しかし、プレゼントに黒百合?
開けると、お揃いと言っていたのにレオン様のは綺麗な香水瓶だが、明らかに私のは違う。
何故だか私の香水瓶には葉っぱが入っているし。
しかも香水の色が汚い紫なんだけど。
まさか手作りなの!?
本当に香水なのか!
まさか私に呪いでもかける気か!
何を考えているのか、と大きなため息が出た。
「頭が痛いわ……」
葉っぱの入った香水瓶を握り締め、もう片方の手で頭を抑えてしまっていた。
そして、その時、ガタン! と音がしたと同時にアリシアが飛び出してきた。
この部屋のどこに隠れていたのか、全く気付かなかった。
とっさに逃げようとしたが、背中を見せたのが不味かった。
腰辺りの背中に、ドンと何かが当たられたのか、その場に倒れてしまった。
朦朧とする意識の中、最後に見えたのはオズワルド様が私の名前を叫びながら控室に飛び込んでくる姿だった……。