時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
宮中の夜会はいつも通りきらびやかだった。
オズワルド様のエスコートでホールに入ると、ワッと群がるようにご令嬢達がオズワルド様の元にやってきた。
おい!
これは何ですの?
という視線で「オズワルド様」と呼んだ。
「しょうがないだろ。勝手に寄って来るのだから」
全く困った様子もなく、オズワルド様はいつもと同じだった。
「オズワルド様、今日はお早いんですね!」
「公爵様、今日は私もご一緒させて下さい!」
わらわらとご令嬢達はオズワルド様に必死だった。
そして、集まってきたご令嬢の一人が私に気づいた。
「リディア様? まあ、お久しぶりです。今日はオズワルド様とご一緒なんですか? 珍しいですね」
そうでしょうね。
私はいつも、お父様に連れられて来るか、友人に誘われて来るぐらいですから。
男性のエスコートで来ることはほぼないですからね。
愛想笑いをしていると、オズワルド様が肩を抱き寄せ、周りのご令嬢達にハッキリと言う。
「リディアと正式に婚約をしました。婚約者が出来ましたので、皆様とご一緒はもう出来なくてすみません」
「「ええーっ!?」」
ご令嬢達はホールだということを忘れたように叫んだ。
ホールの方々は一斉に私達に釘付けになる。
「では、アレク様に挨拶がありますので失礼します。リディア行こう」
オズワルド様は軽く私の頭にキスをすると、私の肩に手を置いたまま歩き出した。
周りにいたご令嬢達はお偉いさんが通るかのごとく何故か一斉に避け、私達はその間を通り抜けた。
「オズワルド様、ご令嬢様方は驚いていましたね。……夜会にはいつも来られていたんですの?」
「いつもはもっと遅い時間に来るか、来てもあまり長居はしなかったからな」
それで、私とは宮中の夜会では会わなかったのね。
私は早い時間に来て、挨拶が済み少し居たらさっさと帰っていましたからね。
きっと、時間がすれ違っていたのね。
「……オズワルド様、もしかしてあのご令嬢の中にお相手した方っていますか?」
「大丈夫だ。もう時間が戻ったから、なかったことになっている。問題はない。後腐れのない者しか相手にしてなかったし」
やっぱりか!
こいつはどんだけモテるんだ!
「今はリディアだけだぞ」
「知ってますよ。……これからもそうして下さいね」
軽く嫉妬を感じながらも、それが恥ずかしくなりながらそう言った。
そのまま、二人でアレク様に挨拶に行くと、レオン様もおり、なんと驚いたことに女連れだった。
一緒にいた令嬢はエルサ・バーンズ公爵令嬢でレオン様の婚約者だと紹介された。
やったわ! やりましたわ!
レオン様よくやりました!
これで私に近づくことはもうない!
あまりに嬉しくて、満面の笑みで「おめでとうございます!」と言う。
「それにしても、オズワルド様がリディアさんと婚約したとは驚きましたわ」
「ええ、俺はリディアに夢中なのです。祝福して下さいますよね」
オズワルド様は私の後ろからもたれるようにして言うが、何だか含みのある言い方ね、と思う。
でも、レオン様とエルサ様の婚約を壊す気はない。
むしろさっさと結婚してほしい!
今日の夜会に来て良かった!
レオン様は横を向いて何だか、不愉快そうになっているけど、私にはもう全く関係ないですからね。
挨拶の後は機嫌良く、オズワルド様とダンスをした。
「何だ、ダンスが上手いな」
「当然です。花嫁修行をしましたからね。オズワルド様もお上手ですよ」
晴れ晴れとした気分でオズワルド様とのダンスを楽しんでいた。
オズワルド様のエスコートでホールに入ると、ワッと群がるようにご令嬢達がオズワルド様の元にやってきた。
おい!
これは何ですの?
という視線で「オズワルド様」と呼んだ。
「しょうがないだろ。勝手に寄って来るのだから」
全く困った様子もなく、オズワルド様はいつもと同じだった。
「オズワルド様、今日はお早いんですね!」
「公爵様、今日は私もご一緒させて下さい!」
わらわらとご令嬢達はオズワルド様に必死だった。
そして、集まってきたご令嬢の一人が私に気づいた。
「リディア様? まあ、お久しぶりです。今日はオズワルド様とご一緒なんですか? 珍しいですね」
そうでしょうね。
私はいつも、お父様に連れられて来るか、友人に誘われて来るぐらいですから。
男性のエスコートで来ることはほぼないですからね。
愛想笑いをしていると、オズワルド様が肩を抱き寄せ、周りのご令嬢達にハッキリと言う。
「リディアと正式に婚約をしました。婚約者が出来ましたので、皆様とご一緒はもう出来なくてすみません」
「「ええーっ!?」」
ご令嬢達はホールだということを忘れたように叫んだ。
ホールの方々は一斉に私達に釘付けになる。
「では、アレク様に挨拶がありますので失礼します。リディア行こう」
オズワルド様は軽く私の頭にキスをすると、私の肩に手を置いたまま歩き出した。
周りにいたご令嬢達はお偉いさんが通るかのごとく何故か一斉に避け、私達はその間を通り抜けた。
「オズワルド様、ご令嬢様方は驚いていましたね。……夜会にはいつも来られていたんですの?」
「いつもはもっと遅い時間に来るか、来てもあまり長居はしなかったからな」
それで、私とは宮中の夜会では会わなかったのね。
私は早い時間に来て、挨拶が済み少し居たらさっさと帰っていましたからね。
きっと、時間がすれ違っていたのね。
「……オズワルド様、もしかしてあのご令嬢の中にお相手した方っていますか?」
「大丈夫だ。もう時間が戻ったから、なかったことになっている。問題はない。後腐れのない者しか相手にしてなかったし」
やっぱりか!
こいつはどんだけモテるんだ!
「今はリディアだけだぞ」
「知ってますよ。……これからもそうして下さいね」
軽く嫉妬を感じながらも、それが恥ずかしくなりながらそう言った。
そのまま、二人でアレク様に挨拶に行くと、レオン様もおり、なんと驚いたことに女連れだった。
一緒にいた令嬢はエルサ・バーンズ公爵令嬢でレオン様の婚約者だと紹介された。
やったわ! やりましたわ!
レオン様よくやりました!
これで私に近づくことはもうない!
あまりに嬉しくて、満面の笑みで「おめでとうございます!」と言う。
「それにしても、オズワルド様がリディアさんと婚約したとは驚きましたわ」
「ええ、俺はリディアに夢中なのです。祝福して下さいますよね」
オズワルド様は私の後ろからもたれるようにして言うが、何だか含みのある言い方ね、と思う。
でも、レオン様とエルサ様の婚約を壊す気はない。
むしろさっさと結婚してほしい!
今日の夜会に来て良かった!
レオン様は横を向いて何だか、不愉快そうになっているけど、私にはもう全く関係ないですからね。
挨拶の後は機嫌良く、オズワルド様とダンスをした。
「何だ、ダンスが上手いな」
「当然です。花嫁修行をしましたからね。オズワルド様もお上手ですよ」
晴れ晴れとした気分でオズワルド様とのダンスを楽しんでいた。