時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
第六話 半年前に戻りました。そして、婚約を申し込まれれる
オズワルド様の馬車に問答無用で乗せられ、オズワルド様が杖で馬車の天井をコンコンと合図すると馬車はゆっくりと走り出した。
「リディア、ハワード伯爵夫人達の様子から察するにまだレオン様と婚約してないな」
オズワルド様が隣に座っているけど、近い!
「少し離れて下さい!」
「離れる理由はない。それより、質問に答えろ」
窓側にへばりつくように横にずれ、なんとかオズワルド様との間を取った。
「リディア」
「……よ、よくわかりません。私、レオン様のパーティーで控室にいたのですけど、気がつけば何故かあの噴水の上に……」
「……よく聞け、ここは半年前だ」
「は?」
オズワルド様の顔は真剣だった。
「……本当……ですか?」
「本当だ」
どうしてこうなった??
そして、何故オズワルド様は知っているの!?
「わ、私控室にいて……アリシアに……」
「そのアリシアに止めを刺されただろう。ずっと呪いでもかかっていたのではないか?」
「この2、3ヶ月ずっと体がだるくて……まさか、呪いだったんですか!? でも、どうして半年前に?」
わけのわからない私にオズワルド様は、ゆっくり話し始めた。
オズワルド様が言うには、私に呪いがかかっていて、控室でアリシアが飛び出して来たのは私に呪いを強める為か直接影響するように、呪いに使っていた杖を当てる為だろうと言った。
その結果、私は呪いが完了したのかその場で倒れてしまったらしい。
そして、オズワルド様の人生で一度だけ使える時間魔法が急に発動し、「半年前に戻った」と話してくれた。
何故オズワルド様が使えるのか聞くと、オズワルド様の祖先に魔女がいたらしく、ごく稀に時間魔法が使える者が生まれるらしい。
でも、使えるのは一度きりで、使い方もわからず、記録も残っていないと言った。
「アリシアの持っていたのは小さな杖だった。恐らくドレスに隠していたんだろう」
「……オズワルド様が助けてくれたのですね……」
オズワルド様を見ると、少し目を逸らした。
「リディア、このまま同じ人生だと、また殺されるぞ」
それは嫌だ。
私には殺される理由はないはず。
怖くなり、両手で自分を抱え込むように震える自分がいた。
すると、オズワルド様がそんな私を抱き締めてきた。
オズワルド様に優しくて温かい雰囲気を感じた。
「リディア、パーティーでの返事をくれ」
「返事……ですか?」
「気に入ったと言っただろう」
そう言えば、『婚約破棄をしたら』と言っていたような…。
「まだ、レオン様と婚約してないな? なら、その前に俺と婚約しろ」
「は?」
何を言っているの!?
「婚約は明日申し込まれるはずです! でも、なんとか逃げておきますから!」
あんな目に遭うのがわかっていて、家にいられない!
もう花嫁修業もしたくないし、時間が戻ったなら好きな本を読んでゴロゴロしたい。
「どうやって逃げる気だ? 明日は留守にしても、父親に伝えられたら婚約することになるぞ」
「うっ、それはそうですけど……」
「本が好きだと言ったな。なら、俺の邸に来い。好きに読めばいい。俺の邸は王宮から離れているし、人も近寄らない」
ぐいぐい来るわね、この人は。
しかも、ずっと私を腕の中に入れているし。
「……正直に言えば、ゴロゴロしながら本を読むのが好きなのです。やり直しが出来たのでもう花嫁修業は嫌なのです」
「すればいいじゃないか。まあ、人前に連れて行くこともあるがそれ以外は好きにさせてやるぞ」
「……ゴロゴロしていいのですか?」
「かまわん」
何だかおいしい話に思えてきた。
「リディア、ハワード伯爵夫人達の様子から察するにまだレオン様と婚約してないな」
オズワルド様が隣に座っているけど、近い!
「少し離れて下さい!」
「離れる理由はない。それより、質問に答えろ」
窓側にへばりつくように横にずれ、なんとかオズワルド様との間を取った。
「リディア」
「……よ、よくわかりません。私、レオン様のパーティーで控室にいたのですけど、気がつけば何故かあの噴水の上に……」
「……よく聞け、ここは半年前だ」
「は?」
オズワルド様の顔は真剣だった。
「……本当……ですか?」
「本当だ」
どうしてこうなった??
そして、何故オズワルド様は知っているの!?
「わ、私控室にいて……アリシアに……」
「そのアリシアに止めを刺されただろう。ずっと呪いでもかかっていたのではないか?」
「この2、3ヶ月ずっと体がだるくて……まさか、呪いだったんですか!? でも、どうして半年前に?」
わけのわからない私にオズワルド様は、ゆっくり話し始めた。
オズワルド様が言うには、私に呪いがかかっていて、控室でアリシアが飛び出して来たのは私に呪いを強める為か直接影響するように、呪いに使っていた杖を当てる為だろうと言った。
その結果、私は呪いが完了したのかその場で倒れてしまったらしい。
そして、オズワルド様の人生で一度だけ使える時間魔法が急に発動し、「半年前に戻った」と話してくれた。
何故オズワルド様が使えるのか聞くと、オズワルド様の祖先に魔女がいたらしく、ごく稀に時間魔法が使える者が生まれるらしい。
でも、使えるのは一度きりで、使い方もわからず、記録も残っていないと言った。
「アリシアの持っていたのは小さな杖だった。恐らくドレスに隠していたんだろう」
「……オズワルド様が助けてくれたのですね……」
オズワルド様を見ると、少し目を逸らした。
「リディア、このまま同じ人生だと、また殺されるぞ」
それは嫌だ。
私には殺される理由はないはず。
怖くなり、両手で自分を抱え込むように震える自分がいた。
すると、オズワルド様がそんな私を抱き締めてきた。
オズワルド様に優しくて温かい雰囲気を感じた。
「リディア、パーティーでの返事をくれ」
「返事……ですか?」
「気に入ったと言っただろう」
そう言えば、『婚約破棄をしたら』と言っていたような…。
「まだ、レオン様と婚約してないな? なら、その前に俺と婚約しろ」
「は?」
何を言っているの!?
「婚約は明日申し込まれるはずです! でも、なんとか逃げておきますから!」
あんな目に遭うのがわかっていて、家にいられない!
もう花嫁修業もしたくないし、時間が戻ったなら好きな本を読んでゴロゴロしたい。
「どうやって逃げる気だ? 明日は留守にしても、父親に伝えられたら婚約することになるぞ」
「うっ、それはそうですけど……」
「本が好きだと言ったな。なら、俺の邸に来い。好きに読めばいい。俺の邸は王宮から離れているし、人も近寄らない」
ぐいぐい来るわね、この人は。
しかも、ずっと私を腕の中に入れているし。
「……正直に言えば、ゴロゴロしながら本を読むのが好きなのです。やり直しが出来たのでもう花嫁修業は嫌なのです」
「すればいいじゃないか。まあ、人前に連れて行くこともあるがそれ以外は好きにさせてやるぞ」
「……ゴロゴロしていいのですか?」
「かまわん」
何だかおいしい話に思えてきた。