時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
第六十六話 調書は終わり
「ヒース、今回の件はノートン親子が勝手に勘違いをして暴走した結果だ。俺達に咎はないぞ」
「そうだな……呪いに関しても娘は素人だったみたいで、呪い返しの痕かどうかも判断出来なかったみたいだな」
オズワルド様は色々悪巧みをしていたことは言わなかったが、嘘も言ってない。
オズワルド様の手のひらでノートン親子は踊らされたのだ。
しかも、華麗に踊りすぎだわ。
転がり落ちるように踊ったわ。
オズワルド様の手のひらで踊ってないでダンスの練習でもすればいいのに。
アリシアは下手だったわ。レオン様の足を何度か踏んでましたからね。
「リディアさんを呪おうとしたのも腹いせのようだったみたいだ。娘がオズを呪おうとしたとされてはさすがにマズイと思ったのかあっさり白状した」
いや、私を呪おうとしたことも、マズイですけどね。
ヒース様は、調書を書くのを止め、世間話のようにオズワルド様に話した。
さすがにもう睨んでない。
「リディアでも同じ事だ。俺の大事な女に手を出したのだ。罰は受けてもらう」
「ノートンは爵位剥奪で、勘違いとはいえ虚言になるだろうな。公爵に不敬を働き、魔法騎士団に訴えたのだからな。皆が見ていたから言い逃れは出来ん。娘は不当な呪いの行使で刑務所行きだ。殺人未遂の疑いもかかっている」
ヒース様は調書の為に録っていたファイルを閉じ、今日はこれで終わりだ、と言った。
「オズ、今夜はアレク様の宮に泊まるのか?」
「ああ、いつもの部屋に泊まる。ヒースもだろ」
「休暇で帰れなくなったからな!」
ヒース様、トゲがありますよ。
「オズワルド様、いつもの部屋は以前と同じ部屋ですか?」
「夜会に泊まらせてもらった部屋はゲストルームだ。今夜は以前から俺が使わせてもらっている部屋に泊まる」
どうやら、アレク様の宮にはオズワルド様とヒース様の部屋がそれぞれあるらしい。
「オズ、ゲストルームの方が広いだろう。アレク様に言えば使わせてもらえるぞ」
「ゲストルームはベッドが二つあるからダメだ」
ヒース様は、そうだな、というように納得した。
「ベッドが二つでもいいですよ! わ、私達まだそんな関係じゃっ……!」
「は? ……オズがまだなのか?」
ヒース様は、今日一番驚いた顔になった。
ヒース様! なんてことを!
「リディアに合わせて、結婚までは待ってるんだ」
「それは……まぁ、いいことだな」
恥ずかしすぎる。
「オ、オズワルド様。もう行きましょう。私はこういう会話は無理です。ふ、二人のことは秘密にして下さい」
「秘密か……いいな」
フッと微笑んだオズワルド様は、ヒース様にまたな。と言って私の肩を抱き寄せ部屋に連れて行ってくれた。
「そうだな……呪いに関しても娘は素人だったみたいで、呪い返しの痕かどうかも判断出来なかったみたいだな」
オズワルド様は色々悪巧みをしていたことは言わなかったが、嘘も言ってない。
オズワルド様の手のひらでノートン親子は踊らされたのだ。
しかも、華麗に踊りすぎだわ。
転がり落ちるように踊ったわ。
オズワルド様の手のひらで踊ってないでダンスの練習でもすればいいのに。
アリシアは下手だったわ。レオン様の足を何度か踏んでましたからね。
「リディアさんを呪おうとしたのも腹いせのようだったみたいだ。娘がオズを呪おうとしたとされてはさすがにマズイと思ったのかあっさり白状した」
いや、私を呪おうとしたことも、マズイですけどね。
ヒース様は、調書を書くのを止め、世間話のようにオズワルド様に話した。
さすがにもう睨んでない。
「リディアでも同じ事だ。俺の大事な女に手を出したのだ。罰は受けてもらう」
「ノートンは爵位剥奪で、勘違いとはいえ虚言になるだろうな。公爵に不敬を働き、魔法騎士団に訴えたのだからな。皆が見ていたから言い逃れは出来ん。娘は不当な呪いの行使で刑務所行きだ。殺人未遂の疑いもかかっている」
ヒース様は調書の為に録っていたファイルを閉じ、今日はこれで終わりだ、と言った。
「オズ、今夜はアレク様の宮に泊まるのか?」
「ああ、いつもの部屋に泊まる。ヒースもだろ」
「休暇で帰れなくなったからな!」
ヒース様、トゲがありますよ。
「オズワルド様、いつもの部屋は以前と同じ部屋ですか?」
「夜会に泊まらせてもらった部屋はゲストルームだ。今夜は以前から俺が使わせてもらっている部屋に泊まる」
どうやら、アレク様の宮にはオズワルド様とヒース様の部屋がそれぞれあるらしい。
「オズ、ゲストルームの方が広いだろう。アレク様に言えば使わせてもらえるぞ」
「ゲストルームはベッドが二つあるからダメだ」
ヒース様は、そうだな、というように納得した。
「ベッドが二つでもいいですよ! わ、私達まだそんな関係じゃっ……!」
「は? ……オズがまだなのか?」
ヒース様は、今日一番驚いた顔になった。
ヒース様! なんてことを!
「リディアに合わせて、結婚までは待ってるんだ」
「それは……まぁ、いいことだな」
恥ずかしすぎる。
「オ、オズワルド様。もう行きましょう。私はこういう会話は無理です。ふ、二人のことは秘密にして下さい」
「秘密か……いいな」
フッと微笑んだオズワルド様は、ヒース様にまたな。と言って私の肩を抱き寄せ部屋に連れて行ってくれた。