時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。

第七話 お受けします

ブラッドフォード公爵邸には図書館があると聞いたことがあるし、先に婚約者がいれば申し込まれることはない。

レオン様と縁ができることがなくなるし魅力的な話だ。

しかも、ブラッドフォード公爵はお父様より格上だから、問題なくお父様は了承するはず。



「でも、明日お父様から婚約の話があるはずです」

「では今から、ウォード侯爵に申し込もう」

「本当に?」

「受け入れてくれるか?」



しかし、オズワルド様のこの自信はどこからくるのか。

絶対女がいそう……。

レオン様のことで、いくら私でもショックはあった。

もし同じなら、どうしましょう。



「あの、つかぬことをお聞きしますが、レオン様のように浮気しますか?」

「大事にするつもりだが」



浮気はしないということですよね。

それに助けてくれたことは間違いない。

あの倒れた時、オズワルド様が私の名前を叫んで飛び込んできた。



オズワルド様の腕の中で、私は目を瞑り、一呼吸おいて決意した。



「オズワルド様、お受けします。よろしくお願いいたします」



気がつけば、いつの間にか私の震えは止まっていた。



「よろしく頼むよ、リディア」



オズワルド様は、素敵な笑顔で私に言った。





< 7 / 100 >

この作品をシェア

pagetop