時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
第七十五話 異変は起きているのか
フェリシア様の部屋にオズワルド様と行くと、彼女は急な話に驚いていた。
「私に呪いをかけられた自覚はないわよ。しばらくはアレク様の宮から出ていないし……」
「そうですよね……でも心配で……」
やっぱり私の考えすぎなのかしら。
オズワルド様を見上げると、眉間にシワを寄せて凝視するように視ており、胸がざわついた。
「……オズワルド様?」
「……呪い……ではないと思うが……。気配が無さすぎる。おかしいぞ」
「は?」
何を言っているのかわからず呆然としていると、フェリシア様も呆然としていた。
「フェリシア様、すぐにアレクを呼びます。専門家も呼びましょう。ご実家のシャレイド公爵もお呼びした方がいい」
オズワルド様はいつもと違い表情が固くなっている。
「リディア、アレクを呼びに行くから絶対に部屋から出るなよ。それに俺が戻るまで誰も入れるな」
「は、はい!」
私の予想とは違うけど、フェリシア様にはやっぱり何かが起こっていた。
「……気配がない……ということは、魔力のオーラが薄くなっているってことだわ……」
フェリシア様の顔は青ざめ、そしてぽつりと言う。
フェリシア様のご実家のシャレイド公爵家は光魔法を司っていたはず。だから光魔法の使い手を輩出している名家だ。フェリシア様自身は魔法の才がなく魔法使いではなかったけど。
でも魔法使いじゃなくても、人は誰でも多少なりともオーラはある。魔力は生命力と密接しているから。
私に至っては、あのアリシアに止めを刺されて事切れたからあの瞬間は魔法耐性がなくなってしまったけど、今は違う。今は生きてるから、普通の人ほどのオーラはあるはずだ。
オズワルド様からも私の気配がないなんて言われたことはない。
でも、フェリシア様には気配が無さすぎると……。
体調が悪いのもきっと魔力のオーラが弱くなり生命力も弱くなっていたせいだ。
そして、アレク様が走る音と共に部屋に飛び込んできた。
オズワルド様も一緒だ。
「フェリシア! 大丈夫か!」
アレク様はフェリシア様に駆け寄り、脇目も振らず抱き締めた。
「どうしてこんなことに……!」
二人を見つめる私にオズワルド様は、「誰も来なかったか?」と聞いてきた。
「はい、誰も来てません。……フェリシア様はどうなりますか?」
「すぐに魔力を回復する魔法薬を飲ませよう。フェリシア様は普通の人間だから、すぐに魔力の回復はしないと思うがこのまま放置はまずい」
「私みたいに、オズワルド様の魔力で包み込むことは出来ないのですか?」
私はオズワルド様の魔力に触れることで眠っている。
それと同じ要領で出来ないかと思ったが、オズワルド様は首を振り「無駄だ」と言う。
「俺の魔力は闇だ。フェリシア様の血筋は光だから相反し過ぎている。俺の魔力を受け入れることは出来ないだろう」
「オズワルド様……」
私は何も出来ない。
魔法も使えないから、オズワルド様みたいな魔法の知識もない……。
不安だけがのし掛かってきていた。
「私に呪いをかけられた自覚はないわよ。しばらくはアレク様の宮から出ていないし……」
「そうですよね……でも心配で……」
やっぱり私の考えすぎなのかしら。
オズワルド様を見上げると、眉間にシワを寄せて凝視するように視ており、胸がざわついた。
「……オズワルド様?」
「……呪い……ではないと思うが……。気配が無さすぎる。おかしいぞ」
「は?」
何を言っているのかわからず呆然としていると、フェリシア様も呆然としていた。
「フェリシア様、すぐにアレクを呼びます。専門家も呼びましょう。ご実家のシャレイド公爵もお呼びした方がいい」
オズワルド様はいつもと違い表情が固くなっている。
「リディア、アレクを呼びに行くから絶対に部屋から出るなよ。それに俺が戻るまで誰も入れるな」
「は、はい!」
私の予想とは違うけど、フェリシア様にはやっぱり何かが起こっていた。
「……気配がない……ということは、魔力のオーラが薄くなっているってことだわ……」
フェリシア様の顔は青ざめ、そしてぽつりと言う。
フェリシア様のご実家のシャレイド公爵家は光魔法を司っていたはず。だから光魔法の使い手を輩出している名家だ。フェリシア様自身は魔法の才がなく魔法使いではなかったけど。
でも魔法使いじゃなくても、人は誰でも多少なりともオーラはある。魔力は生命力と密接しているから。
私に至っては、あのアリシアに止めを刺されて事切れたからあの瞬間は魔法耐性がなくなってしまったけど、今は違う。今は生きてるから、普通の人ほどのオーラはあるはずだ。
オズワルド様からも私の気配がないなんて言われたことはない。
でも、フェリシア様には気配が無さすぎると……。
体調が悪いのもきっと魔力のオーラが弱くなり生命力も弱くなっていたせいだ。
そして、アレク様が走る音と共に部屋に飛び込んできた。
オズワルド様も一緒だ。
「フェリシア! 大丈夫か!」
アレク様はフェリシア様に駆け寄り、脇目も振らず抱き締めた。
「どうしてこんなことに……!」
二人を見つめる私にオズワルド様は、「誰も来なかったか?」と聞いてきた。
「はい、誰も来てません。……フェリシア様はどうなりますか?」
「すぐに魔力を回復する魔法薬を飲ませよう。フェリシア様は普通の人間だから、すぐに魔力の回復はしないと思うがこのまま放置はまずい」
「私みたいに、オズワルド様の魔力で包み込むことは出来ないのですか?」
私はオズワルド様の魔力に触れることで眠っている。
それと同じ要領で出来ないかと思ったが、オズワルド様は首を振り「無駄だ」と言う。
「俺の魔力は闇だ。フェリシア様の血筋は光だから相反し過ぎている。俺の魔力を受け入れることは出来ないだろう」
「オズワルド様……」
私は何も出来ない。
魔法も使えないから、オズワルド様みたいな魔法の知識もない……。
不安だけがのし掛かってきていた。