時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
第七十九話 朝の話題
朝の支度が終わり朝食に行こうとすると、オズワルド様はじっくり食い入るように私を見ていた。
まるで狼がウサギを見ているかのようだった。
「……オズワルド様、朝から何ですか?」
「いや……水色のリボンだな……と」
「それが何か? お気に召しませんか? オズワルド様が気に入らなくても変えませんよ」
結構気にいっているリボンですからね。
「……レオン様の誕生日パーティーの時のドレスもそんな色だったな……と思って」
「よく覚えてますね」
「それはそうだな………綺麗だったし。いつもの花嫁修業の時の服と違っていたしな……」
朝から何言ってんの?
朝から赤面することを言わないで下さい。
そしてハッと気付いた。
……いつもの花嫁修業の時?
「オズワルド様、もしかして花嫁修業の時見てました? 時間が戻る前に?」
「実は時々見ていた。花嫁修業の授業が押していたのか、次の授業に行く時にヒト気のない外廊下を近道に走っているのも見かけていたぞ」
ストーカー! ストーカーです!
ストーカー疑惑を飛び越えて、ストーカー告白!
オズワルド様にキスされる時の、ぞくっとするのと違うぞくぞくが背筋を走っていますよ!
しかも、廊下を走るなんてしたらいけないから周りを確認して走ったはずなのに!
「オズワルド様、一体どこで見てたんですか? まさかついてきてました?」
「……木陰でよく昼寝していただけだぞ」
「一人で?」
「何が言いたい?」
まさか女と木陰でいちゃついていたんじゃないでしょうね。
「何だ? じっと見て。キスして欲しいのか?」
「違います!」
ツンとして言うと、すぐにオズワルド様に唇を奪われた。
「……っん……っ」
舌を絡めるようにキスをされると、また背筋がぞくりとしてきた。
「……朝から舌を入れるのはズルいです」
力が抜けるようになり、オズワルド様にもたれ上目で背の高いオズワルド様を見ると勝ち誇った顔だった。
「どうせ変なことを考えていたんだろう。これで許してやる」
「それはどうも」
変なこととはストーカーですか? それとも女ですか?
とりあえず、なかったことにしよう。
そのままオズワルド様と抱き合っていると、やっぱり私が心配なのか、何かあったらすぐに呼べ、と優しく言ってくれる。
「小さな異変でも呼ぶんだぞ。エルサのことでも何かあれば教えてくれ」
「といっても、エルサ様とは関わりがないのですよね。……時間が戻る前もお茶会もご一緒してなかったと思いますし、まぁお茶会で多少の噂は聞いたことはありますよ」
「どんな噂だ?」
「噂と言っても下らないですよ。エルサ様は気がお強いとか、バーンズ公爵様夫妻とは髪の色も違い似てないとか……公爵令嬢ですから噂にもならなかったと思いますよ。そんな噂をお茶会で流したら大変ですからね。多分エルサ様をお嫌いな方が適当にその場限りで言ったのを、聞いた方がたまたま私の行ったお茶会の話題になっただけと思います」
「バーンズ公爵家は、ウィンター公爵家と親戚だから髪の色はウィンター公爵家の色が出たのかもしれないな」
「ウィンター公爵家のお名前は聞いたことがあります。親戚でしたか。オズワルド様のお邸みたいにウィンター公爵家は王都ではないのでよく知りませんでした」
全く役に立つ話題ではないですね。
それにしてもお腹が空いてきた。
早く朝食が食べたい……。
オズワルド様はずっと話しながらも抱擁したままだし。
「オズワルド様……お腹が空きました」
オズワルド様は、「わかったわかった」と言いながら顔を近付けてきた。
「もう一回キスしたら連れて行ってやる……」
朝から何回するのが正解なのかわからないけど、流されるままオズワルド様を受け入れていた。
まるで狼がウサギを見ているかのようだった。
「……オズワルド様、朝から何ですか?」
「いや……水色のリボンだな……と」
「それが何か? お気に召しませんか? オズワルド様が気に入らなくても変えませんよ」
結構気にいっているリボンですからね。
「……レオン様の誕生日パーティーの時のドレスもそんな色だったな……と思って」
「よく覚えてますね」
「それはそうだな………綺麗だったし。いつもの花嫁修業の時の服と違っていたしな……」
朝から何言ってんの?
朝から赤面することを言わないで下さい。
そしてハッと気付いた。
……いつもの花嫁修業の時?
「オズワルド様、もしかして花嫁修業の時見てました? 時間が戻る前に?」
「実は時々見ていた。花嫁修業の授業が押していたのか、次の授業に行く時にヒト気のない外廊下を近道に走っているのも見かけていたぞ」
ストーカー! ストーカーです!
ストーカー疑惑を飛び越えて、ストーカー告白!
オズワルド様にキスされる時の、ぞくっとするのと違うぞくぞくが背筋を走っていますよ!
しかも、廊下を走るなんてしたらいけないから周りを確認して走ったはずなのに!
「オズワルド様、一体どこで見てたんですか? まさかついてきてました?」
「……木陰でよく昼寝していただけだぞ」
「一人で?」
「何が言いたい?」
まさか女と木陰でいちゃついていたんじゃないでしょうね。
「何だ? じっと見て。キスして欲しいのか?」
「違います!」
ツンとして言うと、すぐにオズワルド様に唇を奪われた。
「……っん……っ」
舌を絡めるようにキスをされると、また背筋がぞくりとしてきた。
「……朝から舌を入れるのはズルいです」
力が抜けるようになり、オズワルド様にもたれ上目で背の高いオズワルド様を見ると勝ち誇った顔だった。
「どうせ変なことを考えていたんだろう。これで許してやる」
「それはどうも」
変なこととはストーカーですか? それとも女ですか?
とりあえず、なかったことにしよう。
そのままオズワルド様と抱き合っていると、やっぱり私が心配なのか、何かあったらすぐに呼べ、と優しく言ってくれる。
「小さな異変でも呼ぶんだぞ。エルサのことでも何かあれば教えてくれ」
「といっても、エルサ様とは関わりがないのですよね。……時間が戻る前もお茶会もご一緒してなかったと思いますし、まぁお茶会で多少の噂は聞いたことはありますよ」
「どんな噂だ?」
「噂と言っても下らないですよ。エルサ様は気がお強いとか、バーンズ公爵様夫妻とは髪の色も違い似てないとか……公爵令嬢ですから噂にもならなかったと思いますよ。そんな噂をお茶会で流したら大変ですからね。多分エルサ様をお嫌いな方が適当にその場限りで言ったのを、聞いた方がたまたま私の行ったお茶会の話題になっただけと思います」
「バーンズ公爵家は、ウィンター公爵家と親戚だから髪の色はウィンター公爵家の色が出たのかもしれないな」
「ウィンター公爵家のお名前は聞いたことがあります。親戚でしたか。オズワルド様のお邸みたいにウィンター公爵家は王都ではないのでよく知りませんでした」
全く役に立つ話題ではないですね。
それにしてもお腹が空いてきた。
早く朝食が食べたい……。
オズワルド様はずっと話しながらも抱擁したままだし。
「オズワルド様……お腹が空きました」
オズワルド様は、「わかったわかった」と言いながら顔を近付けてきた。
「もう一回キスしたら連れて行ってやる……」
朝から何回するのが正解なのかわからないけど、流されるままオズワルド様を受け入れていた。