時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
第九話 婚約者候補から外します
王宮に着き、アレクの部屋に行こうと廊下を歩いていると、ちょうどアレクに会った。
アレクは幼い頃からの友人で、人前以外では呼び捨てにするほどの仲だ。
「オズ、遅いからもう来ないと思っていたぞ」
「悪い、急用が出来て遅くなった」
半年前なら、リディアに婚約を申し込むことがなかったから遅れて来ることはなかった。
その時は、ハワード伯爵邸で見たウォード侯爵の娘が可愛いかったとアレクに話していた。
ハワード伯爵夫人や一緒にいた女達の中で、真っ赤な髪にあの楽しそうに笑うリディアが印象的だった。
ハワード伯爵邸の庭にある噴水に呼んでもらおうか、と思ってしまったぐらいだ。
だが、そのうち次もあるだろうと思いその時は帰った。
そして後日、リディアはレオン様と婚約してしまっていた。
正直後悔した。
何故あの時、リディアと話さなかったのか。
リディアがレオン様と幸せならと諦めようと思ったが、王宮に来るようになり、段々と笑顔が貼り付いているように見え、レオン様の元にあまり見かけなくなったと同時に、レオン様は別の女と会い始めたと聞いた。
そして、アレクに頼みリディアとパーティーで初めて話すことができた。
しかし、遅かった。
まさか、リディアが呪われてしまい絶えてしまった。
あの時、どうやったのか時間魔法が急に発動しなければ、リディアはそのままだっただろう。
自分の使えないと思っていた能力に初めて感謝した。
あの噴水にリディアと戻ったのは、俺の願望だったのかもしれない。
「オズ、どうした?」
「いや、報告したいことがあるんだが」
その時、レオン様も廊下で鉢合わせた。
どうやら陛下に呼ばれているようだ。
「いつも、仲がよろしいですね。兄上は優秀な臣下をお持ちでなによりです」
「オズは友人だ」
レオン様はいつもアレクと比べられコンプレックスがあるのだろう。
俺のこともあまりよく思ってないようだった。
「アレク、報告をいいか? レオン様もお聞き下さい」
二人は、何だ、という顔になった。
「つい先程婚約をしました。相手はウォード侯爵の娘リディア嬢です」
「オズも身を固める気になったか?」
二人とも驚いた顔だった。
そして、レオン様が言った。
「ウォード侯爵の娘は、婚約者候補に入っていた方ですね」
やはり、と思った。
もしかしたら、レオン様の婚約者候補に入っていたのでは、と思っていたのだ。
「ウォード侯爵の了解も得ました。まだ、誰とも婚約していなかったので、問題はないはずです。どうぞ、レオン様の候補から外して下さい」
胸に片手を添え、一礼すると、レオン様より先にアレクが言った。
「すぐに候補から外そう。そうだな、レオン」
「そうですね。では、父上を待たせていますので」
レオン様が立ち去った後、念には念をと思い、アレクに頼みをした。
「アレク、すまないがレオン様がリディアを候補からきちんと外したか確認してほしい」
「今の話では不安か?」
「一応な」
「まあ、かまわないが」
「では、リディアを迎える準備があるから、これで失礼するぞ」
とりあえず、これでレオン様とリディアが婚約することはないはずだ。
王宮から、ブラッドフォード邸は馬車でも早くとも半日以上はかかるために急ぎ帰ることにした。
「急いで邸に帰ってくれ。明日はウォード邸に行くから、早朝には出発するぞ」
御者にそう伝えて、一人馬車の中に座ると、明日からのリディアとの暮らしに胸を躍らせていた。
アレクは幼い頃からの友人で、人前以外では呼び捨てにするほどの仲だ。
「オズ、遅いからもう来ないと思っていたぞ」
「悪い、急用が出来て遅くなった」
半年前なら、リディアに婚約を申し込むことがなかったから遅れて来ることはなかった。
その時は、ハワード伯爵邸で見たウォード侯爵の娘が可愛いかったとアレクに話していた。
ハワード伯爵夫人や一緒にいた女達の中で、真っ赤な髪にあの楽しそうに笑うリディアが印象的だった。
ハワード伯爵邸の庭にある噴水に呼んでもらおうか、と思ってしまったぐらいだ。
だが、そのうち次もあるだろうと思いその時は帰った。
そして後日、リディアはレオン様と婚約してしまっていた。
正直後悔した。
何故あの時、リディアと話さなかったのか。
リディアがレオン様と幸せならと諦めようと思ったが、王宮に来るようになり、段々と笑顔が貼り付いているように見え、レオン様の元にあまり見かけなくなったと同時に、レオン様は別の女と会い始めたと聞いた。
そして、アレクに頼みリディアとパーティーで初めて話すことができた。
しかし、遅かった。
まさか、リディアが呪われてしまい絶えてしまった。
あの時、どうやったのか時間魔法が急に発動しなければ、リディアはそのままだっただろう。
自分の使えないと思っていた能力に初めて感謝した。
あの噴水にリディアと戻ったのは、俺の願望だったのかもしれない。
「オズ、どうした?」
「いや、報告したいことがあるんだが」
その時、レオン様も廊下で鉢合わせた。
どうやら陛下に呼ばれているようだ。
「いつも、仲がよろしいですね。兄上は優秀な臣下をお持ちでなによりです」
「オズは友人だ」
レオン様はいつもアレクと比べられコンプレックスがあるのだろう。
俺のこともあまりよく思ってないようだった。
「アレク、報告をいいか? レオン様もお聞き下さい」
二人は、何だ、という顔になった。
「つい先程婚約をしました。相手はウォード侯爵の娘リディア嬢です」
「オズも身を固める気になったか?」
二人とも驚いた顔だった。
そして、レオン様が言った。
「ウォード侯爵の娘は、婚約者候補に入っていた方ですね」
やはり、と思った。
もしかしたら、レオン様の婚約者候補に入っていたのでは、と思っていたのだ。
「ウォード侯爵の了解も得ました。まだ、誰とも婚約していなかったので、問題はないはずです。どうぞ、レオン様の候補から外して下さい」
胸に片手を添え、一礼すると、レオン様より先にアレクが言った。
「すぐに候補から外そう。そうだな、レオン」
「そうですね。では、父上を待たせていますので」
レオン様が立ち去った後、念には念をと思い、アレクに頼みをした。
「アレク、すまないがレオン様がリディアを候補からきちんと外したか確認してほしい」
「今の話では不安か?」
「一応な」
「まあ、かまわないが」
「では、リディアを迎える準備があるから、これで失礼するぞ」
とりあえず、これでレオン様とリディアが婚約することはないはずだ。
王宮から、ブラッドフォード邸は馬車でも早くとも半日以上はかかるために急ぎ帰ることにした。
「急いで邸に帰ってくれ。明日はウォード邸に行くから、早朝には出発するぞ」
御者にそう伝えて、一人馬車の中に座ると、明日からのリディアとの暮らしに胸を躍らせていた。