時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
いつの間にか着ていた服も乾いており、服を着るがよく見たらボロボロにだった。

所々少しずつ切れている。



「オズワルド様、外はどうなっていますか? 風の音も聞こえません」

「小屋を薄い闇で包み込んでいるから外の様子は見えんだろう。誰か来ればわかる」



そしてオズワルド様の言うとおり、人がやって来た。



「オズワルド様! 開けて下さい! リンクスです!」



小屋から出るとリンクスにヒース様、魔法騎士達がいた。

どうやら、リンクスが山小屋に案内をして来たようだった。



「リディア様! ご無事で何よりです!」

「ごめんなさい……リンクスにも心配をかけましたね」



リンクスの側に行くと魔法騎士達がオズワルド様を囲む。



「ブラッドフォード公爵様、ご同行願います」



驚いた。何故オズワルド様が連行されるのか。

そして、オズワルド様はこの状況に何も言わなかった。



「オズ、不利な状況を作るなよ。アレク様がすぐに出すから」



ヒース様が何を言っているのかわからない。

ただ困惑してしまう。



「待って下さい! どうしてオズワルド様を連れて行くのですか!?」

「リディアさん、落ち着いて下さい。あなたは王宮で一時保護します」

「そうじゃありません! オズワルド様が何をしたのですか!」

「……アレク様の宮を破壊しました」



一体いつ!?

私がいなくなった後何があったというのか!

魔法騎士はヒース様の言葉を補うように付け加えた。



「……レオンハルト様の殺害未遂の疑いもかかってます」



殺害未遂!?

オズワルド様を見ると全く気にする様子もない。



「ヒース、今なら転移魔法も使える。さっさと王宮に連れて行け。……リディアは丁重に扱ってくれよ」

「わかった」



そして、転移魔法でオズワルド様は連れて行かれた。

連れて行かれる時に、王宮で待っていろ、と私に一言残して消えたのだ。

その顔に、焦りも何もなくいつも通りだった。



「リディアさん、ご無事で何よりです。心配しました」

「……すぐにオズワルド様を解放して下さい」

「……オズは悪いようにはしません」



そして、私はもう一人の転移魔法が使える魔法騎士とヒース様と一緒に転移魔法で王宮へと連れて行かれた。







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