時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
第八十九話 披露宴
オズワルド様にウェディングドレスのまま横抱きにされ馬車に乗ると、そのまま膝の上だった。
膝の上でオズワルド様は軽く腕を回したままだった。
馬車は屋根がないタイプで、街を通ると街人が花を降らすように馬車に向かって上向きに投げていた。
街にはオズワルド様の店や、土地も沢山あり、資金の援助をしていた為か街人には人気だった。
オズワルド様と呼んで祝福している子供までいる。
「リディア、ノートンの邸が売れたぞ。シャレイド公爵家が高値で買い取ってくれた。内装を整えたら引き渡すことになった」
「良かったですね」
かなり高値で買い取ってくれたようで、フェリシア様を助けたことの感謝があったのだろう。
「それにしても、意外と子供にも人気者ですね」
「あれは森で迷子になった子供だ。助けたことがあった。覚えているんだろう」
「オズワルド様って意外と優しいですよね」
「意外ととは何だ」
邪魔者には容赦ないけど、どこか慈悲がある。レオン様のことも、もう多分殺そうとは思ってないだろう。
しかし、派手にしないでと言ったのに何だか派手になっている気もする。
そして、披露宴はブラッドフォード邸の広い庭でガーデンパーティーだった。
上位貴族も沢山来ており陛下まで披露宴に参加していた。
「陛下はレオン様のことで忙しいのではないですか?」
「だから転移魔法で来たのだろう」
謹慎中なのにいいのか。それでも陛下もアレク様同様オズワルド様に恨みも何もないのだろう。
陛下に挨拶に行くと、レオン様のことを謝罪された。
ブラッドフォード邸に帰る前には一度謝罪はあったが再度謝罪されたのだ。
しかし、あんな大事になったのは私達が時間が戻ったせいもあるし、本当にもう謝罪はいらない。
時間が戻る前なら私とアリシアの貴族間の揉め事で済ましフェリシア様を巻き込むことはなかったと思う。
レオン様の婚約者がエルサにならなければ、あんな大事にはならなかったのだから。
陛下の次はアレク様とフェリシア様の元へ行った。
フェリシア様はもうすっかり元気でいつもの柔らかい笑顔だった。
「アレク様、何か飲み物をお願いします」
フェリシア様がアレク様に飲み物を頼むとアレク様は待ってなさい。と甲斐甲斐しい感じだった。
「リディアも何か飲むか?」
「ではお願いします」
オズワルド様もアレク様と行かれ、フェリシア様はその様子に微笑ましく見ていた。
「リディア、オズワルド様には秘密だけど、買い取ったノートンという方のお邸、実はアレク様も個人的にお金を出して下さったのよ」
「アレク様が……? かなり高値で買い取って下さったのは……?」
「アレク様のおかげね」
何となくわかった。
魔法騎士達もあの様子を見ており、アレク様の宮も言い逃れは出来ない。
だから、オズワルド様には罰がやはり必要だったのだ。
表立ってアレク様が見逃しては、納得のいかない者もいるだろうし、だからアレク様はこういう型でオズワルド様を処罰し、ノートンの邸の金も出したのだ。
謹慎だって緩いものだ。
「フェリシア様、ありがとうございます」
「私が助けられたのよ。エルサは私をどこかに転移させ、混乱させようと企んでいたみたいだし、私への嫌がらせもあったのでしょうね。あまりに突拍子もない企みだけどね」
将来王妃になるフェリシア様が邪魔だったのか、私達が時間が戻ったことによって起きた、似たようなことが起きる修正力のせいか、私にはわからない。
庭の空をいつもと違い優雅に飛んでいるベルガモットさんの首には私のウェディングドレスと同じ生地で作ったリボンが風になびいていた。
ベルガモットさんが鳴いているその下にはオズワルド様とアレク様が歩いて向かって来ていた。
オズワルド様とアレク様が飲み物を持って来て下さり私達は披露宴を楽しんだ。
そして、レオン様は結婚式に来ることはないが、私達に祝いの花を贈ってきていた。
オズワルド様はため息をついていたが、しょうがないと受け取った。
「……部屋には飾らんが玄関ぐらいには置いとけ。枯れたらさっさと捨てるんだ」
リンクスにそう指示をして、数日間だけ玄関に飾られていた。
膝の上でオズワルド様は軽く腕を回したままだった。
馬車は屋根がないタイプで、街を通ると街人が花を降らすように馬車に向かって上向きに投げていた。
街にはオズワルド様の店や、土地も沢山あり、資金の援助をしていた為か街人には人気だった。
オズワルド様と呼んで祝福している子供までいる。
「リディア、ノートンの邸が売れたぞ。シャレイド公爵家が高値で買い取ってくれた。内装を整えたら引き渡すことになった」
「良かったですね」
かなり高値で買い取ってくれたようで、フェリシア様を助けたことの感謝があったのだろう。
「それにしても、意外と子供にも人気者ですね」
「あれは森で迷子になった子供だ。助けたことがあった。覚えているんだろう」
「オズワルド様って意外と優しいですよね」
「意外ととは何だ」
邪魔者には容赦ないけど、どこか慈悲がある。レオン様のことも、もう多分殺そうとは思ってないだろう。
しかし、派手にしないでと言ったのに何だか派手になっている気もする。
そして、披露宴はブラッドフォード邸の広い庭でガーデンパーティーだった。
上位貴族も沢山来ており陛下まで披露宴に参加していた。
「陛下はレオン様のことで忙しいのではないですか?」
「だから転移魔法で来たのだろう」
謹慎中なのにいいのか。それでも陛下もアレク様同様オズワルド様に恨みも何もないのだろう。
陛下に挨拶に行くと、レオン様のことを謝罪された。
ブラッドフォード邸に帰る前には一度謝罪はあったが再度謝罪されたのだ。
しかし、あんな大事になったのは私達が時間が戻ったせいもあるし、本当にもう謝罪はいらない。
時間が戻る前なら私とアリシアの貴族間の揉め事で済ましフェリシア様を巻き込むことはなかったと思う。
レオン様の婚約者がエルサにならなければ、あんな大事にはならなかったのだから。
陛下の次はアレク様とフェリシア様の元へ行った。
フェリシア様はもうすっかり元気でいつもの柔らかい笑顔だった。
「アレク様、何か飲み物をお願いします」
フェリシア様がアレク様に飲み物を頼むとアレク様は待ってなさい。と甲斐甲斐しい感じだった。
「リディアも何か飲むか?」
「ではお願いします」
オズワルド様もアレク様と行かれ、フェリシア様はその様子に微笑ましく見ていた。
「リディア、オズワルド様には秘密だけど、買い取ったノートンという方のお邸、実はアレク様も個人的にお金を出して下さったのよ」
「アレク様が……? かなり高値で買い取って下さったのは……?」
「アレク様のおかげね」
何となくわかった。
魔法騎士達もあの様子を見ており、アレク様の宮も言い逃れは出来ない。
だから、オズワルド様には罰がやはり必要だったのだ。
表立ってアレク様が見逃しては、納得のいかない者もいるだろうし、だからアレク様はこういう型でオズワルド様を処罰し、ノートンの邸の金も出したのだ。
謹慎だって緩いものだ。
「フェリシア様、ありがとうございます」
「私が助けられたのよ。エルサは私をどこかに転移させ、混乱させようと企んでいたみたいだし、私への嫌がらせもあったのでしょうね。あまりに突拍子もない企みだけどね」
将来王妃になるフェリシア様が邪魔だったのか、私達が時間が戻ったことによって起きた、似たようなことが起きる修正力のせいか、私にはわからない。
庭の空をいつもと違い優雅に飛んでいるベルガモットさんの首には私のウェディングドレスと同じ生地で作ったリボンが風になびいていた。
ベルガモットさんが鳴いているその下にはオズワルド様とアレク様が歩いて向かって来ていた。
オズワルド様とアレク様が飲み物を持って来て下さり私達は披露宴を楽しんだ。
そして、レオン様は結婚式に来ることはないが、私達に祝いの花を贈ってきていた。
オズワルド様はため息をついていたが、しょうがないと受け取った。
「……部屋には飾らんが玄関ぐらいには置いとけ。枯れたらさっさと捨てるんだ」
リンクスにそう指示をして、数日間だけ玄関に飾られていた。