時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。

第九十一話 翌朝

初夜の翌日、私は朝から疲れていた。
ベッドに寝たまま、起きたくない私と違い、オズワルド様はツヤツヤと不思議なほど元気だ。
寝ている私の側に座りずっと頭を撫でたり髪を触っている。

「オズワルド様、喉が渇きました」
「朝食を頼んでないのか？」
「マリオンが今日は部屋に持って来るとは夕べ言ってましたけど」
「催促して来るから待ってろ。今日は部屋から出るなよ。服も着なくていいから」
「服は着ます！」

朝からシーツにくるまっている私に覆い被さるようにキスをしてくる。
しかし、何を考えているのか。
どうして元気なのですか？
私は疲れてぐったりです。

「オズワルド様、どうして元気なのですか？ あれだけ腰を振って疲れないのですか？」
「おかしな言い方をするんじゃない。俺は変態か！」

何を考えているんだ、とぶつくさ言いながらガウンを羽織り朝食の催促とお茶を取りに行った。

動きたくは無いけど、今のうちに服を着てしまおうと、シーツから出ると胸の痕に気付いてしまう。
よく見ると胸やあちこちにオズワルド様の痕が残っていた。
今さらながら初夜を済ませたのだと実感し、また顔が熱くなってしまった。

しかし呆けている場合ではない。
急いで着替えないと絶対すぐに帰って来るはず。
そして案の定すぐに帰って来た。

「リディア、朝食と紅茶を持って来たぞ」
「早かったですね」

まだ着替えを済ましてません！

「マリオンに廊下で会ったから受け取ってきた」

シーツで体を隠したまま部屋に戻ろうとした時にオズワルド様は戻って来た為、着替えに行くとバレてしまい、オズワルド様は眉間にシワが寄っていた。

「まだ着替えなくていいだろ」
「でももう朝です」

そう言いながら寄って来る。
シーツで体を隠したまま、思わず後ずさりすると逃げられないように両腕で左右を塞がれてしまった。

「す、少し休ませて下さい」
「朝には寝てたぞ」
「体力ないんです。今日はもう嫌です」
「……しょうがないな。休むのは少しだけだぞ」
「……あと、続き部屋のドアも直して下さいね」
「ドアはもういらん」

いや、ドアは必要です！

そう言ってやっと着替えをして朝食を二人で摂った。
朝から紅茶も注いでくれて何だか優しい。

「リディア、アレクの結婚式のドレスはどうする？ 色を合わすか？」
「そうですね…ドレスはそれでかまいませんが……レオン様に辛く当たらないで下さいね」
「もう殺そうとは思ってない」
「そうして下さい。きっと今は頑張っていると思いますから」
「わかった」

オズワルド様は目を伏せてわかったと言ってくれるが私が無事だったからもうわだかまりは捨てて欲しい。
私も、もうなんとも思ってない。
それに、レオン様は今までとはきっと違うと思う。
何かあったらアレク様が助けるだろうけどオズワルド様が邪魔してはいけない。
今はレオン様にも前に進んで欲しいと思っていた。