とことわのその ― 獣と絡まり蔦が這い ―【加筆修正版更新中】
いてて、とお尻をさする康くんの背後には、もる子ちゃんが片付けたらしきコンビニ弁当やペットボトルの空容器がきっちりと分別され、ビニール袋にまとめられていた。
うちの従兄が迷惑をかけてすいません。
保護者のようにわたしが頭を下げると、もる子ちゃんは向日葵みたいな笑顔を左右に揺らし、やだなあ。そんなかしこまって謝らないでよ、と笑った。
それより、ほら、由紀ちゃんも康のケツ蹴飛ばしちゃいなよ。
もる子ちゃんがそう言うと、康くんは首をぶんぶん振って、明日は大学に行きます! 行きますから! と宣言した。
後から聞いたところによると、康くんは単位がなかなか危険な状態だったらしい。
もる子様様だなあ、としみじみ語る康くんに、なんでもる子って呼ぶの? あだ名だよね? と訊くと、理由は忘れた、とあっけらかんと言われた。
当時から康くんは適当だった。
そうやって康くんが誰かとつき合っては別れ、ふさぎ込むたびに、わたしともる子ちゃんは辛気臭さたっぷりの康くんのアパートで顔を合わせた。
わたし達はすぐに仲よくなった。
うちの従兄が迷惑をかけてすいません。
保護者のようにわたしが頭を下げると、もる子ちゃんは向日葵みたいな笑顔を左右に揺らし、やだなあ。そんなかしこまって謝らないでよ、と笑った。
それより、ほら、由紀ちゃんも康のケツ蹴飛ばしちゃいなよ。
もる子ちゃんがそう言うと、康くんは首をぶんぶん振って、明日は大学に行きます! 行きますから! と宣言した。
後から聞いたところによると、康くんは単位がなかなか危険な状態だったらしい。
もる子様様だなあ、としみじみ語る康くんに、なんでもる子って呼ぶの? あだ名だよね? と訊くと、理由は忘れた、とあっけらかんと言われた。
当時から康くんは適当だった。
そうやって康くんが誰かとつき合っては別れ、ふさぎ込むたびに、わたしともる子ちゃんは辛気臭さたっぷりの康くんのアパートで顔を合わせた。
わたし達はすぐに仲よくなった。