とことわのその ― 獣と絡まり蔦が這い ―【加筆修正版更新中】
邑木さんは運転をするから飲まないし、ここへ来ても営業中の康くんと波多野さんはもちろん飲まない。
久しぶりにこうして人と肩を並べて飲んだ。
正直なところ、もる子ちゃんから飲もうと誘われたとき、わたしには迷いがあった。
仕事の話題になって、辞めたと言った途端に不穏な空気にならないか、という不安があったのだ。
もる子ちゃんが説教じみたことを言うような人ではないとわかっていても、それでも胸の奥では小さな渦がぐるぐるしていた。
とんだ杞憂だった。
ゆるゆると肩の力が抜けていく。
そうやってビールを頼んで、ナチョスを食べて、そろそろさっぱりしたものが食べたくなってきた頃、だった。
バッグの中でスマートフォンが震え、メッセージの受信を知らせた。
ちょうどもる子ちゃんがトイレに行く、と席を立ったので、わたしはスマートフォンを開いた。
久しぶりにこうして人と肩を並べて飲んだ。
正直なところ、もる子ちゃんから飲もうと誘われたとき、わたしには迷いがあった。
仕事の話題になって、辞めたと言った途端に不穏な空気にならないか、という不安があったのだ。
もる子ちゃんが説教じみたことを言うような人ではないとわかっていても、それでも胸の奥では小さな渦がぐるぐるしていた。
とんだ杞憂だった。
ゆるゆると肩の力が抜けていく。
そうやってビールを頼んで、ナチョスを食べて、そろそろさっぱりしたものが食べたくなってきた頃、だった。
バッグの中でスマートフォンが震え、メッセージの受信を知らせた。
ちょうどもる子ちゃんがトイレに行く、と席を立ったので、わたしはスマートフォンを開いた。